警備艇12艇 寄贈

日本から比(フィリピン)に、警備艇12艇が寄贈されるというニュースが入ってきた。

もちろん、中国のスカボロ礁(フィリピン名)干渉が原因である。


米や豪も、フィリピン海軍と合同演習をしており、これに日本海軍も参加している。

簡単に言えば、フィリピン、ベトナムインドネシアの対中国との領土問題は対岸の火事ではない。


フィリピン、ベトナムインドネシア、日本近海あたりで中国を封じ込めなければ、中国海軍は容易に、ハワイやダーウィンあたりに進出するだろう。米も豪も、高みの見物はできない情勢になっているのだ。


何故、今か?欧米日の経済が弱り、指導者が交代する時期。中国、韓国、ロシアはこういう時期に領海や領空侵犯する習性がある。つまり、すきあらば、その係争地域を奪おうという魂胆である。ロシアはそれでも旧ソビエトより、穏健になったが。1980年頃のアフガン侵攻も、アメリカ民主党政権がレームダックに陥った所を見透かして、突然の侵攻だった。この3国の習性は100年前くらいから変わってはいない。


日本も大変である。以前はアメリカ一国でやれた事を、かなりの部分、肩代わりして補填しなければならないからだ。


ロシアに関しては、エネルギーや漁業交渉もあるが、基本は、北方領土と安全保証の問題だけだ。経済の依存率が低いからだ。韓国に関しては、領土や経済文化の関わりは、日本の死活問題ではなく、むしろ彼らの日本だけへの攻撃性に問題がある。中国はわかりやすい。彼らはバッタで、彼らの拡張主義は日本だけに向けられたものではない。

朝鮮半島を考えた場合、日本はアメリカより、中国に近い考えだ。端的に言えば、統一された自由朝鮮より、2〜3ヶ国の分断国家を望んでいる点だ。 韓国が要求し主張するのは、いわゆる歴史の謝罪、従軍慰安婦問題、日本海呼称問題、大陸棚問題、竹島問題など。しかしこれらは、永遠の分断固定、という観点で考えれば、日本にとっては取るに足らない事である。


明治時代の政治家なら、朝鮮半島の分断化を対韓国政策の基本、とするはずだ。そして、アメリカを怒らせない程度に北朝鮮を援助して、経済的に自立するところまで手を貸すはずだ。


日本政府は北朝鮮に支払う賠償や無償援助を危惧して、韓国政府の主張に翻弄されている。やり過ごそうとしているのだ。あの半島の2ヶ国と、しっかりと国交を結ぶと言うことは、北朝鮮にも賠償して、北朝鮮からの歴史の謝罪にも応える事になる。

どちらを選ぶのか?日本政府はそろそろ腹を決めて、朝鮮半島の分断化を固定化し、中国と共に北朝鮮の経済開発に加わるべきなのだ。

これが何より、韓国にはこたえることになる。朝鮮半島の政策に限って言えば、韓国やアメリカの口車に乗って、踊らされてはならない。今の日本政府の外交は、人が良すぎるのだ。朝鮮半島の政策に限って言えば、中国ロシアの政策に近いところに舵を切るべきなのだ。韓流などとは言ってられない(笑)。外交は冷徹冷酷なものなのだ。韓国にはそれをわからせる必要がある。

朝鮮に関して言えば、統一されても、賠償は免れないと思うが。

その前にしっかり分断化を固定しておく。北朝鮮に支払う無償援助は分断化を固定する前払いの手形のようなもの、なのだ。そして中国より優位に、北の地下資源を利用する。なおかつ韓国の機先を制することもできる。

朝鮮半島については大局(分断の固定化)が大事で、大局がスムーズに運んでいれば、枝葉末節(竹島問題、従軍慰安婦問題、日本海呼称問題、大陸棚問題)はある程度、韓国に譲歩しても構わないのだ。

米と旧ソ連(ロシア)のアジアでのブレゼンスの低下に、中国が味をしめて勢いを増している。日本も太平洋戦争直後〜1980年代までなら考えられないほど、アジアでのブレゼンスが相対的に高まってきている。戦後すぐなら、絶対になかった防衛面の援助を、アジア各国から求められている。

皮肉なものだ。戦争に懲りて、二度とアジアの安全保障など関わるものかと、アメリカに丸投げした結果が、これである。

1920年代のように、アジアの安全保障が不安定・複雑な時代に入ったのは、まず間違いない。

今後、内閣の組閣で重要なポストは、外務大臣防衛大臣の二つのポストになる。党や派閥を越えて選ぶべきだろう。ある意味、総理大臣より重要なポストで難しい人選になる。

解散後の組閣での外務大臣防衛大臣。誰になるのか?気になるところだ。