難しい日中の融和

9月の尖閣諸島問題から、日中関係は一転して小泉元首相時代の様に冷えきったままである。 日中の問題は、尖閣諸島問題に集約される。民主化問題、歴史認識問題などもあるが尖閣諸島問題が喉元に刺さったトゲである。結論から言えば、この問題に関しては両国とも一歩も引かないだろう。中共は、尖閣諸島から沖縄、台湾の海域を実効支配することで西大西洋への海洋覇権を確立したい。日本は、それを許したら、自国排他的経済水域内でも活動が制限される。それを許しはしないだろう。アメリカも中共と西大西洋で直接、対峙することになる。 ミャンマー、タイに海洋覇権を狙い侵出する中共と、それを阻止しようとするインド、イギリス、アメリカの構図と同じである。 2国間の領土問題では、当時者に言い分がある。世界大戦は、ソフトな言葉であれハードな言葉であれ、全て領土問題(他国への侵略)から発生している。人類が第3次大戦に突入しないと、誰が断言できるのか? 民主党の首相や外相が語る言葉は、少なくした方がいい。日中は戦略的互恵的関係と、のたまわっても言葉だけが浮いている。はっきりと、日中関係政経分離の関係と、公言すべきだろう。 一刻も早く、尖閣諸島、南西諸島、沖縄周辺の島々に海軍基地を造ることだ。 敢えて、対立の構図を煽らなくても、日本国民は中共の領土侵略覇権主義を今回の騒動で、学習した。 尖閣諸島を領土問題として提起したのは日本ではなく中共である。東シナ海のガス田を共同開発しようと提起したのは日本で、中共ではない。中共は単独開発したいといい、実際に、そう行動している。中共が単独開発するなら、日本は日本の排他的経済水域内にあるガス田を単独開発すべきだ。ASEANには過大な期待はできない。彼らは中国の経済に巧みに組み込まれており、中共に苦言を呈する国は一つもない。南沙諸島西沙諸島で、中共に島々を実効支配されて(奪いとられて)も、経済が優先なのだ。この日記で何度も繰り返し述べたが、日本は、ベトナム、インドと軍事経済の関係を進めた方がよい。中共のインド洋侵出を、インドと共同で阻止するのだ。少なくともインドとベトナムは、中共の領土野心を心よく思ってない。白は白、黒は黒と中共にクレームをつける国だ。ローマ帝国が滅んだのはゲルマン人の帝国領域内侵入と言われているが、元をただせば、中国大陸内の匈奴が、万里の長城のために漢族に西方へと追われたからなのだ。今の大陸中国の内陸にいる数億人が沿岸部に押し寄せ、沿岸部の数億人が太平洋に押し寄せる。漁船に乗ってである。一つづつ、日本領の島々に上陸するケースもあるだろう。この場合、日本は一体何をできるのか? あながち、あり得ないシナリオではないのだ。何故、中共中国人が海洋を志向するのか? よく考えてみないといけない。繰り返しになるが、中共は、日本と共同で東シナ海のガス田を開発できないというのが、彼らの解答だ。地球上の資源を自分達で独占したい、というのが本心だ。ここを我々はよく考えなくてはならない。中共やロシアの価値観を是とするか?アメリカ、ヨーロッパの価値観を是とするか?である。新興勢力はお金と軍隊は持っているが、一緒に楽しめる連中ではない。価値観を共有できる連中ではない。それでもASEANの様に、尻尾を振って、中共について行くのか?お金のためだけに。 今の日本は、自主独立を試されているのだ。自分達の子孫に、自主独立、民主主義、自由という大切なものを残さなければならない。それらは中共のお金より、大切なものなのだ。 1969年に旧ソビエト中共の間で、ダマンスキー島の領有を巡り、戦闘があった。結果的にはソビエトが、中共人民軍をロケット砲で蹴散らしたんだが、ソビエト軍中共人民解放軍の奇襲で、かなりの戦死者が出ている。ソビエト軍はこの戦闘で徹底的に勝利し、後を継いだロシアは中共ダマンスキー島を割譲した。当時のロシア軍指導者は「ダマンスキー島の戦闘で徹底的に勝利し、今後、中国がロシアに領土野心を見せないと確信したのでダマンスキー島を割譲した」と述べた。中国に対しては徹底的に叩くのがソビエトのやり方で、日本もアメリカも倣えと言ったらしい。徹底的に叩いて初めて、交渉できるという。中国人の本質をよくわかった発言だ。中共は必ず、尖閣諸島を奪いにくる。その際、アメリカと合同でもいいし、日本単独でもいい。徹底的に通常兵器の戦闘で、中共の海軍を叩くことだ。徹底的に叩いてから平和の交渉をし、尖閣でもガス田でも、くれてやったらいい。大切なのは領土ではない。連中の野心を砕くことなのだ。戦闘に勝利してから、中共に島をくれてやったらいいのだ。 二度と沖縄は中国領などと言わないはずだ。民主党の政治家は国内外向けに語れば語るほど、決意の無さが内外に露呈してしまう。しゃべらず、粛々と尖閣諸島海域に考えうる海軍力を集結すればよい。