日中戦争とアメリカ

歴史をよく分析すればわかるが、アメリカが日中戦争で中立的な立場を取ってきたのは周知の事実。尖閣諸島で日中の衝突があっても、彼らは首を突っ込まないし、日米間の安全保障条約が縛りになることもない。

ただ、日本と中国の立場は、1920年代や1930年代とは真逆である。

日本は経済力が以前ほど強くなく、中国は今、昇り龍の勢い。

日本の為政者がすべきことは、1930年代の過ちを繰り返さないこと。

すなわち、
1、中国の拡張主義の脅威にさらされている国家・地域と連帯すること。インド、ベトナム、フィリピン、インドネシア、ウィグル、チベットが該当する。

2、同時に、尖閣諸島での共同開発を、あらゆるチャネルを使って粘り強く交渉すること。


アングロサクソン諸国(米、英、豪、加など)はあくまで部外者で中立的な立場であると肝に銘じるべきだ。


沖縄のライン(第一列島線)を越えて、中国海軍が太平洋に進出したら、アメリカにも脅威だが、アメリカはそうなって初めて事態を認識する国なのだ。


もしアメリカが他国の深刻さがわかるなら、何故、同じ兄弟の様な英国がナチスドイツの空襲に耐えてる時、助けなかったのか?アメリカが助け始めたのは、パールハーバーで日本帝国海軍に強襲された後である。後日談で、一番パールハーバーの奇襲を喜んだのは、実は英国首相のチャーチルだったという、不謹慎な話がある(笑)
アメリカ人はもともと、自分達だけで生きられ、精神的には孤立主義、自己中心主義の傾向が強い。


話が長くなったが、何度も書くが、アングロサクソン諸国は中立だと思って間違いない。

それでは、どうやって尖閣諸島を守るのか?

具体的に言えば、印、比、ベトナムインドネシアと相互互恵の平和条約、軍事協定を結ぶ。対中国用で、日本を含んだ5ケ国が中国から進攻など受けた場合、他の4ケ国が援助するというもの。

韓国やアメリカとの条約より有効なはずだ。特に対中国には、ね。
アメリカも韓国も、日本と中国が共に潰れることを望んでいるのだ。


日本にとっては第二次大戦後はじめて、自主外交をする機会が巡ってきた。


一番大切なのは、軍事力で、米、中、ロシアと対抗しない事。日本の軍事力を増強しながら、他国間の協定を結びつつ、米中露に対抗する。


決っして1920年代、1930年代の過ちを繰り返さないこと。

尖閣諸島竹島北方領土の領有権を完全に失っても、南太平洋の世界第6位の経済水域内には、230年分のレアアースが眠っている。

1孤立していると思わないし、孤立しない。
2軍事力だけに頼らない。
3対話交渉を継続する。
この先日本には、この3点が大切になる


インドが中国と領土紛争している時、日本が背後で、尖閣諸島周辺に駆逐艦10舶出せば、日本が中国と尖閣諸島で領海紛争してる時、インドはカシミールから中国国境に陸軍10個師団を派遣するだろう。

アメリカや韓国が太平洋戦争後、いつ軍事的に日本の協力をしただろうか?もちろん、日本も助けたことは一度もないが(笑)

中国やロシアと利害関係のない、アメリカや韓国と協力しても、実質的に何もメリットはない。実質的な軍事協定を結ぶことだ。米韓とは形だけの安全保障だけにとどめて、上記の4ケ国と安全保障条約を結ぶことだ。

そして、日本固有の領土問題を整理することも大切だ。その際、他国との領土問題以外は絡めないことが重要だ。例えば、露が実効支配している北方領土。どのように領土にしたかは、日本人なら誰でも知っているが、それを持ち出すと、国際世論は困惑する。例えば韓国。ことある毎に日本統治下の悲惨さを持ち出す。これが何か国際世論に訴えるだろうか?100歩譲って、同じ帝国日本の虐殺にあった中国は同情を示すかもしれない。植民地として悲惨さを味わったのは韓国だけなのあろうか?日本にとっても、尖閣諸島と広島・長崎・福島は何も関連性はない。

日本が尖閣諸島で国際社会に訴えるべきことは、歴史の解釈ではない。

訴えるべきことは、中共は日本だけじゃなく、そこらじゅうの周辺国・地域と領土問題を抱え、第二次大戦後、盗んだ領土が増え続けてるという事実なのだ。
韓国も同様に、他国の領土(特に日本の領土)を狙う野心が十分あるということだ。

日本の戦略はクリアーで、中韓の拡張主義を国際社会に晒すことにある。そして日本だけじゃなく、中国韓国の周辺国は、日本と同様の危惧を抱いているという事。これが一番のキモになる。

中国韓国は、領土問題をいろいろなことに絡めてくるはずだ。過去の歴史や経済まで、必要な手練手管を全て使うだろう。日本は、印、比、ベトナムインドネシアを代表して中韓の好戦性・拡張主義を国際社会に訴え続けること。日本との二国間の領有問題を越えていることを国際社会に訴えるべきなのだ。
(領有問題)
係争国:中国、韓国、ロシア。中立国:米、豪
同盟国:印、比、ベトナム、印ネシア