東洋経済誌に面白い記事「老後不安大国」があったので
買って読む。台所に雑誌を放り投げていたら、
女房も読んだらしい。


彼女の感想は、「アエラより伝わってくるものがない。記事が
強者のロジックで書かれていて読者に伝わるものがない。
記者は介護の経験ないんじゃないの。だけど、一つだけ面白い
記事があったわ。北欧や欧州の介護先進国では、地方自治
の予算を(介護の)組む場合、その自治体でいったい
何人、介護が必要な老人がいるか、その数を基に予算を
組むみたいね。日本は具体的な負担は家族でしょ。そこが
ヨーロッパとの違いね」と、きた。



いろいろ上記の記事で女房と議論する。
カミサンが言うには、介護だけ切り離してもしょうがない、
ということ。
人間死ぬ間際になって、痴呆になり、チューブでつながれた
状態になり、寝たきりになって、それでもご老人が生き続ける
ことがどうなのか?そこを考えてほしい、と彼女は言う。
脳死尊厳死・臓器移植・宗教にまで及ぶそうな・・・)



僕はもうちょっとサバケていて、地獄の沙汰も金次第、
介護も金次第、そういったアメリカみたいな世の中に
日本も入りつつあり、そのサバケた考えについて行けない
人達(この人達は決して悪くないが)に、焦燥感が
あるのだと思ってる。
今の日本の介護システム(医療システムもそうなりつつ
あるが)では、お金のない人達は、見捨てられるか、
いやいや家族が看るかしかない。僕が「イヤイヤ」と
書いたのは、看る家族の側にも「イヤイヤ」の度合い
が違っているという現実を、どの家族も介護老人を看る
べきだという「べき論」で片付けてはいけないという事。



介護老人を介護していて、老人がご健在なら年金が
年400万、お亡くなりになった時は資産が
数億入ってくる人と、立派な仕事を介護のために半分
辞めて、借金ばかり入ってくる人と、その違いは大きい。



いま「シッコ」(発音は汚いが)とう映画を上映していて、
その映画で、たしかフランス人かオランダ人が、病気で
入院していて、退院したとき、アメリカ人か何かに
「入院費にいくらかかった?」と聞かれたそうだ。
そのフランス人(オランダ人)は、なぜ入院にお金が
かかるのか?治療費は全部無料だろ、と言ったとか・・。
そうなんだよね。ものすごい高い税率を代償に、
入院費までただにしている国が、ヨーロッパには
あるらしい。
フランスは民主主義・自由主義の旗手で、自由経済
旗手でもあるが、
人生の入り口(出産)と出口(介護)には手厚い。
人生のどこと、どこが一番大変か、良くわかってらっしゃる
人達だ。
我々日本人ももうすぐ(もうとっくに)高齢化社会
突入する。


違った切り口の政策が、日本政府に欲しいよね