さて、アメリカの市場は、政府のサブプライム
 ローン被害者(といっても自己責任の範疇だが)
 の支払い金利据え置きを好感して、
 上げ基調の展開。


 僕は、持ち株(アメリカ株と日本株)の半分くらい
 キャッシュポジションにしました。
 残ってる銘柄は、セルサイ社、メリディアン社、
 オラシュア社くらいで(医療関連株)、
 他はだいたい売りました。ここ5年で4〜5倍に
 なった優良株も、申し訳程度残してますが・・・


 何か差し迫った危機感があるわけではないですが、
 やはり、アメリカの景気が今後2〜3年でかなり
 減速すると読んでいるから、です。
 ディフェンシブな銘柄、もしくは材料のある銘柄で
 株を保有したいと思ってます。


 余剰キャッシュは、何も生み出しませんが、
 底値を追っている優良株が、いくらでもあるので
 来年夏までには、そういった銘柄を、しっかり
 調査してから仕込むことにします。


 最近買った本に「デリバティブのすべて 
 田渕直也著」があります。書いてる内容は、
 かなり専門的な事柄をあっさり書いていて、
 初心者は、他に参考書を参照しながら
 読み進めていく感じの本です。
 

図解でわかるデリバティブのすべて―実務に使えるEXCELシートCD‐ROM付

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 なぜ買ったか?といいますと、その本に
 付属のDVDがあり、このエクセルワーク
 シートがオプション価格の算定に使えると
 思ったからです。


 女房は、大学(ICU)卒業後、10年以上証券会社で
 デリバティブ金融派生商品)を扱っていたらしく、
 結構、基礎ができてるようだ。僕は、大学は
 理系で、こういった金融工学の本を読み始めたのは、
 ここ1〜2年。難しいから結構本気になって
 読んでいる。

 
 女房は、今は銀行の証券部で働いているが、
 彼女の持っている本には、いま僕が悪戦苦闘
 しているこの本の参考書になる本が多い。
 ちゃっかり拝借して、勉強させてもらっている。


 まだ読み始めたばかりだが、いいことが書いて
 あった。p84〜85


 「デリバティブを成り立たしめる等価性を担保
  するのが現在価値の算出です。やや曖昧で、
  不正確な”利回り”という価値判断基準から、
  異なるキャッシュフローを同じ基準で評価する
  ことができる”現在価値”への転換は、
  デリバティブ理論の根幹を成しています。

  この価値基準の転換は、金融理論と金融実務に
  革命的なインパクトをもたらしたことから、
  「現在価値革命」と呼ばれています。人に
  よっては「スポットレート革命」とも呼びます。


  1年後に1円を受け取れるというキャッシュ
  フロー(CF)があるとします。このCFを手に
  入れるためには、その対価を払わなければ
  なりません。対価を現時点で払うとすると、
  1年後の1円の現在における価値と等しい
  金額を払えば等価交換が成り立つことに
  なります。


  1年後の1円は、金利がゼロでない限り、
  現在の1円とは価値が違います。そこで、
  この1年後の1円の現在価値をX、1年後の
  金利をrと置くと、

    X×(1+r)=1

  という関係が成り立ちます。
  Xを金利rで、1年間運用したものが、将来の
  CFである1円と一致するということです。

  
  金利rは割引金利と呼ばれ、一般にリスク・
  フリー金利というものを使います。リスク・
  フリー金利とは、信用リスクがない金利という
  意味です。ここでは1年複利ベースで表示
  されています。


  さて、上式から、
  
    X = 1×1/(1+r)と 

  Xが求まります。

  太字(1を1+rで割ったもの)がディスカウント
  ・ファクター(Df)と呼び、 将来の1円を現在価値に
  するための係数のことです。
  rをそれぞれの期間に応じた割引率とすると、
  CFの発生時期が2年目であれば、Dfは、(1+r)の
  マイナス2乗です。同様に、n年目のDfは(1+r)の
  マイナスn乗になります。


    ・・・・・(以下略)・・・・・・

                     」


  以下、ゼロ・クーポンCFの利回り、スポット金利
  連続複利、などなど
  延々と、数式と金融工学で、いわゆる現在価値革命
  を説明しています。


  こういった説明は、大学・大学院で経済や経営を
  まじめに(?)勉強された方々には多分、
  常識的なことなんでしょう。私は全くの畑違い
  ですから、逆に新鮮です。

  
  この本の最初の説明部分は、多分「バフェットの銘柄
  選択術」にも書いてあった気がします。
  バフェットが銘柄を選択する場合、EPS,ROEなどから、
  将来の株価を予想するのですが、その際、
  確かベンジャミングレアムの講義で教わった方式
  で(配当性向と内部留保の比率に留意して)、
  このゼロ・クーポンキャッシュフローを使って、
  EPSを算定し、n年後の予想株価を算定していた
  と、思います。


  今、自分の手元にバフェットの銘柄選択術が
  ないので、漠然とした説明ですが、
  読めば、このゼロクーポンCFが、バフェット氏の
  銘柄選択の根幹をなしていたはずです。
  

億万長者をめざすバフェットの銘柄選択術

億万長者をめざすバフェットの銘柄選択術

 



  僕が1980年当時、アメリカの大学にいた時、
  経済学を専攻してた友人がいて、そういえば、
  ゼロクーポンがどうの、連続複利計算がどうの、
  こうのと、目を輝かせて言ってた覚えがあります。


  考えて見れば1980年前半は、この金融派生
  商品の元の元が築かれた時代で、この友人が、
  大騒ぎしてたのもうなずけます。
  僕とは畑違いなので、どうしようもないのですが、
  金融工学も、コンピューターソフトの向上なしには
  発達しなかったのも事実でしょう。


  
  取引先の人も、結構、先物をやっていて(1人は
  原油、もう一人は大豆)、数千万を動かしているが、
  ソフトの構築には結構お金を使い、市販の価格シミュ
  レーションソフト、今は自作のソフトを使っている
  らしい。この人は、ソフトウェアを大学で専攻して
  たので、プログラムを組めるらしい。


 
  特に、デイトレなら、ソフトの良し悪しが、
  利益率に直結するらしい。
  でも、自分にはできないトレードスタイルだ。
  忙しいトレードは、はっきり言って嫌いだから。


  
  オプションにしても、オプション価格に
  及ぼす要素は、原市場価格やインプライド・
  ボラティリティなどいろいろあるが、
  売りにしろ、買いにしろ、
  特に、買いであれば、間違いなく上がる→
  ホールドしたい
  という、心理が働かねば、時間の無駄の様にも
  思える。



  特にコールの買いであれば、
  オプション価格がやや高めのATM、ITM
  のオプションを中長期保有する方が、
  いいような感じがある。
  $150の株なら、100株保有にも
  $15000かかるが、オプションでコールを
  買えば、
  3分の1から4分の1の資金ですむ。
  ITMを買って、満期日まで持たない。
  3〜5%で損きり。利益は20%以上。
  こんな感じでトレードしたい。


  
  お金を払って本で読んで勉強したり、講習会で
  勉強するのは、全く異論がなく大賛成だが、
  だったら、本の著者や講習会の主催者は
  みんな大金持ちになっているって。


  勉強もほどほどにしないと、金儲けはできない
よね。