パンドラの箱

世界多局化(第一次大戦前)のパンドラの箱を開けたのは、直接的には旧ソビエト中共、加速化させたのはオバマ大統領と言えるだろう。自分は、米国の参政権がないが、一貫して民主党支持ではない。民主党の理想主義のスタンスがアメリカの大国としての役割にあわない、と自分は思ってるからだ。オバマさんが選ばれたのには、多局化には大きな意味合いがあった。初の黒人大統領。これだけで全世界にインパクトがあった。しかし、あれから2年以上たち、世界は以前よりさらに不安定化したと言える。多局化と言えば、言葉はよろしいが、フランスの少数民族移民の国外追放等を見ると、世界経済軍事などで、多局的に力が発生し、それを既存の力が押し込めるという構図が、今の2010年だ。この不安定な多局化は、数十年続くと見るべきだろう。 不安定な多局化の処方箋は、中共とインドが握っている。ブリックスの勢力内では、地勢学上、好位置にあり、経済、人口数に強みのある中共とインドが今後、アメリカ・ヨーロッパ型の国家を造れるか否かに、地球の将来が託されていると見るべきだ。反対に言えば、この2国がヨーロッパ中世の暗黒型社会を模範とすれば、地球の将来は極めて暗いだろう。 ヨーロッパの歴史をみると、ギリシャ文化/ローマ帝国滅亡後は、苦難の連続だ。ゲルマン人侵攻、マジャール人侵攻、モンゴル侵攻、イスラム侵攻、オスマントルコ侵攻、etc、etc。光りが見えたのは、コロンブス大航海時代まで、待たねばならなかった。16世紀以降、オランダや英国の新興勢力の技術力、政治力、民主主義の復興(紀元前ギリシャ時代からの復興)で、ようやくヨーロッパに春が訪れた。 こうみると、世界の歴史では暗黒時代が長い。 中共とインドは、今後どのような政治を志向するだろうか? 多局化を招いたアメリカとロシア(ソビエト)は、中共とインドの民主主義醸成に大きな責任がある。ロシアは自分自身の民主化をもっと徹底的にやるべきだ。マルクスレーニンスターリン銅像を引き下ろしたくらいだから、出来るはずだ。 中共がいつまでも毛沢東を礼賛するようでは、世界の未来は暗い。中共に必要な役割は、今後は経済ではない。平和志向の民主主義国家(国民の投票による代議員制)を構築すること。これは、中共にとって必要なのでなく、世界人民にとって必要だと、厳しく認識すべきだ。代議員制度下であれば、共産党も合法化される。大陸の土地の私有化も避けては通れない。スタンダードを世界標準に近づける努力を怠ってはならない。どの国々にも言えることだが。世界が多局化する局面では、どの国々も、政治的、経済的、文化的にスタンダードに近づける努力を怠ってはならない。各国が自分流のスタンダードをいい始めたら、結果は世界大戦だと、胆に命じるべきだ。 ただ、これは中国人だけでなく日本人にもあてはまる。自分の甥っ子は今、大学院で薬の勉強をしている。彼は、私の姉に、おじさん(私)みたいに、若いうちにアメリカで勉強したい(留学したい)と、言ったらしい。義兄は、にべもなく却下したらしい。義兄は医師で、経済に問題があるわけではないが、日本に戻って来ないか、戻っても仕事がないといけない、と言ったらしい。これではいけない。若者が内向きになるのはいけない。若い時にしか出来ない事もある。自分の子供たちが大きくなって、大陸中国で勉強したいと言ったら、どうするか? 自分は若い時に、親にアメリカへ留学させて貰った。1$=300円 の時代で、親は決して楽ではなかったはずだ。今は1$=80円の時代だ。留学をキャンセルする理由はどこにも見当たらない。 日本のノーベル賞受賞者を見ても、若いうちに外国留学して試行錯誤した研究者だ。80%くらい留学し博士号をアメリカヨーロッパの大学で取っている。去年のハーバード大学の学部入学の日本人は、0か1人だったというニュースを以前見たが、日本人学生は、あまりに内向きすぎる。 こういう情勢だからこそ、大陸中国人と草の根交流しなきゃいけないかもしれない。問題は依存度であって、何でも50%以上の依存はよくない。大陸中国相手には、20%くらいが程よい依存度ではないか?大陸は避けては通れない隣人なのだ。女房はどうかしらないが、自分は隣りのご主人には軽く挨拶くらいはする。お互い借家住まいではない。浅く長い付き合いが大切だ。これは大陸中国にもあてはまる。




と、書いたところに、中共が、共同ガス田付近に調査船を派遣すると、日本政府に通告したというニュース
が入ってきた。

中共は今後、日本の排他的経済水域内で、海洋調査試掘など進めると思われる。


日本がすべきことは単純である。
1、日本の排他的経済水域内での中共の活動は許さない。

  何度も書いてるが、日本はハード(軍事外交プロパガンダ)力が足りないので、この面の補充を一刻も
  早くすべきだ。
  この問題では、尖閣諸島の問題でもそうだが、政治家の国内向けの発言では何の効力もない。
  この日記で書いてるが、早急に、尖閣諸島もしくは近くの島々に、日本海軍の基地をつくる。
  ガス田に一番近い島々にも
  海軍基地を造ること。中共が、ガス田の試掘に入ったら、日本も同程度に、その海域で試掘する。

2、1を滞りなく済ませてから、中共と、平和の対話のテーブルに着くことだ。


アメリカは日本にアドバイスしている。硬軟両面で、中共に接することだ、と。
日本は、早急にハード的なアクションをすること。日本の政治家の内向きな非難声明は必要ない。



また、中共の内部事情(民主化運動や軍部独裁)や、大陸の労働争議、土地問題、公害問題など、
大陸が抱えている問題をよく精査し、分析しなくてはならない。ひょっとしたら中共の本当の目的は、
抗日反日を超えたところにあるのかもしれない。よく、分析することだ。ただ、分析結果が、抗日反日
でなかったとしても、方法手段が抗日反日であれば、それを容認できる理屈もない。

どちらにしても、北京オリンピックと上海万博を終えた大陸が、いままでと正反対の方向に舵を切って
いるのは間違いなかろう。
また、どのような事情があるにせよ、大陸が民主化しないのは日本人の責任ではない。
彼らの責任なのだ。


日本は、迫り来る敵に対しては、幻想や憧憬を抱かず、当たり前のことをすればいいだけだ。

家に泥棒が入り込んで、お茶を出して接待する、間抜けな家人はいない。