チェルノブイリ周辺のウクライナのゴメリ州では、

事故後5年くらいから、小児の甲状腺腫が増加した

という。白血病などの血液疾患については、

有意差を認めなかったという、長崎大学医学部の

報告にある。

この地区では、直接的な外部被ばくによる増加

ではなく、放射性ヨードや、セシウム137の

食物飲料からの内部被曝が原因と結論づけている。

1998年の報告で、小児15歳まで20000人の

検診に対して甲状腺腫は、40例。

ロシアのほかの地域(500km以上離れたところ)

の約5倍だった。この報告から、小児甲状腺腫について

のみ、放射能の影響を認めている。




チェルノブイリから120kmの所にあるゴメリは、

セシウム137汚染が1平方mあたり55万ベクレル。

キエフも同じ距離120kmだが、セシウム137の

汚染レベルはほとんどなく、正常値に近い。

炉心爆発時の風向きが、大きく影響したのだろう。

同じく、チェルノブイリ北東500kmにあるブリャンスクは、

セシウム137汚染は、1平方mあたり20万ベクレル

以上だ。




今回の福島原発の場合、水素爆発が起こって建屋が

ふっとんだ日くらいまで(3・16くらいまで)の

風向きが大事で、連発で起こった水素爆発の日の風向で、

いまの汚染レベル確定している。

フランス政府が、積算の放射性物質の汚染濃度マップを

提供しているはず。




きょうのニュースで、千葉と茨城と福島の女性の

母乳を検査したところ、4人に(千葉と茨城の方に)

50ベクレルほどのセシウムが見つかったという話。

飲料水の基準値は100ベクレル。

母乳の基準値は、日本にはない。あっては困るが。





現在の、チェルノブイリ300m地点でのガイガー

カウンターは、8マイクロシーベルト/時。

福島原発の正門前は、60マイクロシーベルト/時。

チェルノブイリは石棺処理が済み、25年以上経っている。

福島は現在進行形。これまでの大気放出した放射線は、

チェルノブイリの10分の1以下と、言われている。

甲状腺腫患者が、10分の1顕れるのか、ウクライナ

同じ頻度で顕れるのか、今後20年かけて、福島医大

報告を待つしかない。 福島医大は最近、広島大医学部と

長崎大医学部と、協力関係を築き、放射線医学に本腰を

入れるとのことだ。頑張ってほしい。






自分も一応(笑)、医療の検査技師で、医療現場で放射能

あたってきた時期もある。それでも、前線のドクターより、

被曝量は全然少ない。

カーディオロジスト(放射線診断を使って、カテーテル

心臓病治療するドクター)の、白血病甲状腺腫好発について、

疫学調査や有意差が認められた、という研究報告はない。

しかし、どちらかというと、短命なドクターが多いような

気もするし、癌でお亡くなりになるドクターが多い気も

する。あくまで、これは私の印象であって、証明された

事実ではない。80歳すぎても健在なドクターもいるから。

放射線感受性は、個人差もかなり大きいのは確かな

ようだ。




もちろん放射線がゼロなら、言う事はないが、今後、

人類が有人ロケットを太陽系外に飛ばす際、

チェルノブイリより怖い宇宙線という、放射能

ある。全くリスクを冒さず人類が太陽系外に

行けるはずもない。放射線抜きの生活は幻想だ。

どうやって、放射能のリスクと共存するか?




日本は、広島と長崎に人類で唯一、原爆を投下された。

そして今回の福島原発

日本人はどうやら、放射能と向き合うように、神から

試練を与えられてしまった様だ。




だからと言って、東電と現政府の失態怠慢は決して、

ゆるされないが。






そして、いつまで、東電と菅さんたちに福島原発を任せる

のか?

もうとっくに、彼らの賞味期限は切れているのに。






そして、福島県原発区域から避難してきている人たちへの

いわれのない差別。彼らは、放射能汚染をまき散らしている

わけではない。実際、放射能は感染しませんしネ。

特に関東での差別が多いようだ。不思議な話である。

関東のために原子力発電を福島に造って、福島は東北電力

から、電気の供給を受けているのにね。






会津に住む自分の親戚は、もともと九州出身だが、

福島の自然に魅せられて、そこに移住した。知り合いが多くでき、

もう九州に戻るつもりもないらしい。原発から100km

以上離れており、1時間0.02マイクロシーベルトしか

被曝しないが、それでも福島在住である。福島にもいろんな

人たちがいるのだ。






福島の人たちへの我々の差別は、取りも直さず、世界からの

日本人への差別、という側面もあるのだ。ここは、しっかり、

我々は認識しなきゃいけない。何度もこの日記で書いたが、

今後、福島原発に何かの暴発があれば、2度と外国に行くこと

など、できない時代もあると、思っておいたほうがいい。

なぜって?福島の人たちに我々がやっている差別を、世界から

日本人全体として受けるケースもあるのだから。

福島県人への差別は、とりも直さず、我々、日本人への

差別にいつでも変わる、という事をネ。ここはしっかり、

肝に銘じるべきだろう。東電や政府の責任にできるのは、

国内だけで、いったん国外に出れば、日本人として世界に

責任を取れるか取れないか、だけなのだ。戦後65年。

先人・先輩たちがきっちり貯金してくれたもの、世界への

貢献すら、今回の原発事故は、根こそぎ奪ってしまう危険性

すら、ある。でも、石原都知事が言うように、これは

全て、戦後の我々の生活感の必然的な結末かも、しれない。

どこかで、おごりがなかったのだろうか?道徳観の欠如が

なかったのだろうか?

もし、我々の親爺たち(まだ生きてるが)、おじいさんたちが

生きていたら、今の日本を、今の日本の政治家に、

何というだろうか?

この質問は、シンプルだが、日本人が原点に帰れるいい

質問だと思うよ。良い事、悪い事、結構、言われると思うヨ。





そして今回の震災で、一番、感謝を感じた国々は、アメリカは

別として(日本との利害関係がありすぎるので除く)、


1.フランス
2.台湾
3.ロシア
4.中国

インド、クウェート、韓国、ブラジル、豪州
    
などの順番だネ。

かなり偏見に満ちた、個人的な意見だが・・・。




フランスは(救助隊は)、阪神淡路大震災の時もそうだが、

井の一番に日本に駆け付けてくれて、いつも、彼らフランス人

には、暖かい慈悲を感じるネ。そして台湾。個人レベルで、

日本への義捐金が群を抜いている。本当にありがたい。

ロシア人達は、モスクワで毎日、日本の惨禍に祈りを奉げていた、

らしい。古くはモンゴル、ナチス・ドイツチェルノブイリと、

虐げられた者の痛みのわかる人種なんだと、しみじみ思ったね。

また、思ったより心配していたのは、大陸の一般中国人達だ。

戦後、日本人戦争孤児を数多く引き受けたように、一般の

中国人達にも、おおきな慈悲を感じたね。また、韓国、豪州、

インド、ブラジル、クウェートにも謝意を表すべきだ。





先人たちが築き上げてきた、世界への信用を、決して、

無駄にしてはいけない。