20年待てれば、億万長者

今朝の朝日新聞に興味深い記事があった。

チェルノブイリ事故の後、大気中に舞った放射性物質(セシウム)のため、英国南西部ウェールズ地方の羊は、いまも影響がある、という。事故の後にウェールズ地方に降った集中豪雨で、特にこの地方の土壌は汚染されている、らしい。また、この地方の羊は高級ラム肉として有名だ。

セシウムが土壌に浸透して、今でも、1000ベクレル以上の汚染された羊が、10%くらいの割合で見つかる、という。

ここから先の話しが、英国人らしい。


ラム肉の出荷時は毎回、羊を一頭づつ検査して、基準値を越えた羊は、里に近い、非汚染地域で半年育てて、放射性物質をとり、再検査して出荷オーケーなら出荷するという。

イギリス政府はこういう面倒なプロセスに、補助金を出しているという。


ウェールズ地方のラム肉は高級ラム肉なので、そのブランドを損なわない方法だ。ただ、チェルノブイリ事故以来、ウェールズでラム肉用の羊を飼育する酪農家は、かなり減ったらしい。


日本人ならそこまでしなくても、と諦めてしまうだろうが、イギリス人はしぶとい。チェルノブイリ事故後20年以上も経っているのにネ。ソ連もロシアも、彼らラム肉の農家には、なにも補償はしなかったはずだ。


この記事を読んで、大切なのは、プロセスなんだと思う。消費者が信頼できるプロセスなら、汚染地域のラム肉も高級ラム肉で売れるのだ。

現政府と東電は、消費者が信頼できるプロセスとは何か、もう一度考え直した方がいい。