ソニーパナソニック、NECなどの家電メーカーの
赤字が計数兆円に上るという。

恐ろしい赤字である。

思うに、欧米の家電メーカーも、1960年70年代に
かけて、安くて性能がいい日本の家電メーカーに
とって代わられ衰退して(倒産・買収されて)いった
歴史がある。
歴史は繰り返したのである。


その時、欧米の古参家電メーカーも、今の日本企業
同様、いろんな手を尽くしたが、結局、衰退の運命
は避けられなかった。


同じ技術、同じ性能であれば、安い製品を買うのが
消費者である。


当時のアメリカやイギリスの方向性(政府や国民)を
見ると、
家電メーカーに対してそれほどの固執はなかった。
なぜか?英語という共通語を武器に、新技術の特許
などで優位性を保つ政策に方向転換したからだ。
家電に従事していた労働者を徐々に、別の産業セクター
に移す政策をやってたからだ。



思えば、アメリカでは、鉄鋼や家電産業が衰退し、
パソコンも衰退し始めた70年代中ごろに、
大きく産業構造をシフトさせた。

1. 金融・法律・特許・著作権
2. コンピューターソフトウエア
3. 医療製薬・医療機器
4. 軍需産業
5. 石油関連
6. 宇宙産業
7. タバコ・アルコール
など

七つのセクターあたりに、その労働者を転換させた。
ソフトウエア開発は、その後、インドの労働者に譲った
が、ネット関連のシステム構築業(グーグルなど)で
2000年あたりから、再度労働者を吸収し始める。



アメリカ産業の基盤は、あいかわらず軍産複合体で、
軍事技術が、ネットに応用されたり、逆に、宇宙
産業や医療産業に応用されている。


マクロとミクロの産業技術をしっかりおさえる。
そして、他国にその技術が盗まれた場合、賠償等
特許の問題解決するため、法的整備をする。この
点が米英系企業は抜かりがないので、利益が蓄積
されるのである。


さて今後の日本産業である。


新興国・中国・韓国などの同技術・安価な製品との
終わりのない・果てしのない価格競争をすべき
なのか?


NO、である。


もっと、軍需産業を活性化させて、その技術を
医療や宇宙産業にフィードバックできるように
国策をいますぐ転換させるべきだろう。



デザイン産業や広告産業ばかりでは、将来性に
疑問が残る。日本のファッション・デザインは、
衣料であれ、工業であれ、今は中韓を超えているが、
いずれはその分野でも追いつかれてしまう。



彗星にロケットを着陸させて地球に戻せる技術
があるなら、国の方向性でいえば、その技術を
最大限に、産業として使うことだ。



北朝鮮のミサイルサイトを、上空の衛星から、
首相官邸でパソコンで見れる技術まで昇華
させるべきだろう。新技術の付加価値が高いこと、
これが、学校であれ、研究所であれ、一般企業
であれ、丸の内であれ、霞が関であれ、永田町
であれ、徹底しないと、日本の未来は危うい。



中韓も長い目で見れば、いずれもっと労働力の
安価なインドやベトナムの企業にその家電産業の
引導を渡される。これは歴史の宿命なのだ。


基礎技術の蓄積ができている今、今後100年の
大計を立てるべきなのだ。と言っても、今のノーベル
賞受賞者はほとんど、戦前派・戦中派で、
いまのままでは今後の基礎技術力も、中韓に追い
越される局面も考えられる。



霞が関と永田町のかじ取り次第で、日本にまた
再び日が昇るのだが・・・・・・。日本とアメリ
とは違いすぎるので、斜陽化しはじまった時の英国
の国家としての戦略を研究すべきだろう。いまの
日本によく酷似していると思う。基礎技術力で
いえば、英国は世界第2位で、はるかにドイツを凌ぐ
ことを我々はもう一度認識すべきだ。産業力では、
ヨーロッパでもあまり褒められた位置にはいないが。



要は、どんな国になりたいか?そこが大切だ。


一億総優良労働者であれば、ドイツや韓国を見習えば
いいし、そうでなければ英国を学ぶしかなかろう。