1990年代の後半にウディネーゼで、3−4−3の超攻撃的布陣
を敷いて(ビアホフというドイツの大砲がいたが・・・)、
万年下位チームをヨーロッパカップまで導いたというが、
その戦術は、トップから最終ラインまでを20m以内に
収めて、その中でパス回しをし(もちろんパスの正確さが
あるチームだけの戦術なのだが)、3列(FW−ボランチーDF)
ごと連動して動き(3列が自由自在に動き=攻撃の主導権を
握り)、攻撃の人数で数的優位を作り、3列が連動して波状
攻撃する。そんな感じの戦術になる。



トルシエのDFのフラット3を、3列に適応し、その3列の
間隔を20m以内に狭めるという戦術だ。以前の、クライフ
のオランダや、バルセロナの取っている戦術にも近い。



欠点は、DF裏の大きく開いたスペースのケアが難しく、
相手FWに足が速いFWやMFがいると、上手に最終ライン
を上下していても、裏のスペースに走りこまれると
なかなか、オフサイドトラップが掛らなくなることの
様だ。



ただ、先日のザンビア戦では、先行された1点目は、
明らかに、ザックの戦術の裏を取られたが、2点目、
3点目は、セットプレーやロングシュートへのケア
を怠ったところにあって、必ずしもザックの戦術の
欠点を突かれたわけではない。



日本の現DFは、CBもSBも、GKにパスなのか、MFに
パスなのか、CKに逃れるのか・・・・・・そういった
最終ラインの判断ミスや躊躇するミスを何回も突かれ、
これまで、やらずもがなの得点を献上している。

そういった判断ミスは、綺麗に相手FWに裏を取られた
失点とは違う。集中して防がねばならないだろうし、
防げるはずだ。




攻撃陣は、コートジ戦で何度も訪れるはずの決定機を
確実に決めることが大切だ。特に、香川選手は、初めて
の決定機に決めてほしい。香川選手は一回決定機を
外すと、その試合は決定機を決められない試合に
なってしまう。引きずるのだろうか?是非最初の
決定機に決めてほしい。最初の決定機に決めると
乗ってくる方なので、是非そうなるように頑張って
欲しい。




グループリーグ突破を考えるなら、コートジ戦の
負けは許されない。スコアはどうでもいいのだ。
0−0のスコアレスドローでもいいし、4−4の
大乱戦でも・・・・・とにかく勝ち点3を相手に
献上しない試合運びが大切になる。



3−2で、後半あと15分。ザンビア戦と同じ
状況で、リードを守りに行く試合運びは、今の
代表にはできない。(2010年の代表には
できたが)良い悪いの問題ではなく、戦術的に
引いて守る戦術トレーニングや練習試合を
数多くこなしていないからだ。



だとすれば、3−2の場合、日本は4−2を
狙う戦術しか考えられない。したがって、
コートジ戦でも、ギリシャ戦でも、打ち合いに
ならない限り、勝ち点奪取の可能性は極端に
減っていく。
ブラジルなら、2−0で前半を終えて、
2−0や2−1で終える戦術が浸透している。
日本にはない。日本が守りに入ると、攻撃の
バランスやリズムをも失ってしまう。




「攻撃は最大の防御なり」



今の代表には、この格言しか当てはまらない
のだ。