ザッケローニが辞任した。戦術家としての
ザッケローニは良かったが、勝負師としての
ザッケローニは、いただけなかった。
1週間くらい前に書いたが、この人は参謀で、
上に、リッピ、トラパットーニ、カッベロ
などの勝負師がいればよかったと思う。
(同じイタリア人でまとめるなら)ただ、
どのくらい年棒を払わないといけないかは、
不明だが・・・・・(笑)
強いて言えば、前半の2年はザック、後半の
2年はリッピなどのように、ザックの戦術を
継続できる環境をつくって、ブラジルWカップ
くれば結果も違っただろう。


ともかく、御苦労さまでした。





フィジカルに関して、日本人はフィジカルが
足りないから、サッカーには不向きという人
も多い。自分の女房も、「相撲も柔道もフィジカル、
サッカーも、そうよね」と簡単に言う。
確かにフィジカルは大切。しかも、大きさだけでは
なく、サッカーは、前後左右へのスピード、
跳躍力(高さ)、ボールを遠くに運ぶキック力
まで、DFは問われる。





井原・柱谷選手、ツーリオ・中澤選手のCB
コンビは、日本代表の中では群を抜いた
フィジカル、総合力(スピード、高さ、キック力)
を持っていた。その彼らにしても、世界基準
から言えば標準か、平均よりちょっと劣ると
評価されていた。





FWはどうだろう?
DFの基準の他に、ボディバランスや俊敏性も
要求される。
ぺナルティエリア(外側の線)から、1〜2m
離れた所からミドルを強烈にたたきこめる
キック力は必須になる。もちろん高さ、DFの
当たりに負けない身体の芯の強さも必要に
なる。背筋がピンと立って、GKと正対できる
姿勢も必要だろう。動きがスムーズなのも
必要だろう。


そういった観点で言うと、
歴代の日本代表で、ストライカーは誰かと考えると、




1.釜本選手
2.ロペス・ワグナー選手
3.高原選手
4.本田選手(FWとみなすと)
5.中山選手

こんな順になる。1釜本選手と、2ロペス選手の
開きは大きい。さらにロペス選手は、DNAが日本人
ではないが(笑)。
3高原選手と5中山選手は、動きはスムーズだし、
ある程度ヘッド1発で決められる決定力もあったが、
姿勢がわるかった。4本田選手は姿勢はよいが、
動きがスムーズではない。



こう考えてみると、釜本選手引退以来、世界的な
ストライカーが日本サッカーには現れていないと
言った方が良いだろう。小さい頃、釜本選手を
見ていた50歳以上の我々にとってみると、その後の
FWの小粒さは心配になる。




小さい頃から、日本のサッカー教育はパス回しや
トラップを教え込むが、CKからヘッド一発で
ゴールをし止める教育はしない。ジーコジャパン
批判は今も絶えないが、ジーコが監督だった頃、
選手にミドルシュートの打ち方、FKの打ち方を
基礎から教えていて、練習もここに多くの時間を
さいていたという。ジーコファルカンが日本の
監督だったころは、FKの練習、ミドルの練習を
選手が嫌がったという。ジーコファルカン
、あまりの精度の悪さに堪りかねて、自分で
手本を示すと、引退して10年以上のジーコ
ファルカンのキックの方が、日本代表選手より
正確で強烈だったという(笑)。この話は、よく
カズ選手が語っていた。
小中学生にボール扱いばかり、パス回しばかり
練習させないで、練習時間の半分以上はシュート
練習に当てるべきだと思う。





野球選手を見ると、1960年代・70年代は
MLBと日本のプロ野球の選手の見た目の大きさ、
単なるフィジカル面で、全く違いがあって、
その差は歴然だった。高校野球の選手とNPB
選手の違いくらい、見た目が違っていた。
現在はどうか?というと、確かに平均値を
見ればまだまだ見た目の違いもあるが、ずいぶん
見た目の差も縮まってきた。ダルビッシュ投手、
大谷投手、藤波投手、田中投手・・・・・・
185cm以上の投手、200cm近くの投手も
当たり前の時代である。野手のサイズはちょっと
追いついていないが、それでも見た目の大きさで
MLBNPBの違いは語れない。ボールをはじき返す
リストやひじの強さ。ボールを投げる肩の強さが
MLBに劣っており、今は、このフィジカルの差が
一番問題である。一時は野手が塁間を走るスピード
や、外野のスピードも言われていたが、今は
イチロー選手を代表するように、日本人選手の
スピードを評価するケースもある。MLBNPB
差は、手首・ひじ・肩の強さの違いに限局されて
きた観がある。




サッカー選手はどうだろう?
プロ化してまだ20年そこそこ。野球は既に
プロ化して80年近く。
まだまだ、フィジカルを上げる幼少期のトレー
ニングや教育がいきわたっているようには見え
ない。フィジカルは個人の持って生まれたもの
としている観も否めない。
野球選手もまだまだMLBのフィジカルには及ばない
が、パワーをつけるためのトレーニングは過去
20年間で随分進化している。イチロー選手は
自前のトレーニングマシーン(1500万円以上)
を、毎日欠かさず自宅で使っているという。
こういうフィジカル面を鍛えるトレーニングは、
サッカーでは、ドイツやオランダが先進国と言わ
れている。





次期監督にドイツ人監督を・・・・とまでは
思わないが、ドイツ人のトレーニング・コーチや
レーニングメソッドを取り入れれば、日本人の
弱点を長期的に補強できるはずだろう。
若い世代からだから、簡単には結果は出ない。
しかし、NPBの野球選手に1990年代に意識改革
が起こってフィジカル・ト-レーニング方法が
変わったように、サッカー界にも、正しい
フィジカル・トレーニング方法が導入されれば、
日本のサッカー界の未来も明るいはずだ。






年棒から言ってみても、本田選手ももらって
4億。(我々庶民からすれば目が飛び出るほどの
額だが)長友・香川・内田選手あたりも、
もらってせいぜい、2億程度だろう。
翻って、野球NPBの選手だが、4億円級の選手は
12球団で10名以上は、いる。
イチロー選手はマリナーズ時代、15億以上
10年、松井選手も15億以上5年、
ダルビィッシュ投手や田中投手は、成績次第では
今後年棒20億円に及ぶかもしれない。
サッカーのメッシ選手やクリロナ選手はどうか?
年棒20億円以下ではないだろう・・・・・・





年棒が、FIFAランクやWカップの成績を決める
わけではないが、
年棒が高い選手は個人的に打開する能力が高い。
すなわち、チームとして機能しなかった場合、
頼れる存在になる。WBC優勝の時、イチロー選手が
決勝のタイムリーを決めてくれた。





年棒が先か、活躍が先かは、大いに疑問が残るが、
FIFAランク云々を言う前に、まだまだ、日本の
サッカー選手は年棒が低いのだ。
各クラブに戻って必死に努力して年棒を多く
取れば、すなわち、日本代表は強くなるのだ。




釜本選手はアマチュアで、日本にはその当時、
プロサッカーはなかった。
メキシコ・オリンピックの活躍を見て、その場で
プロ契約を迫ったチームがあったという。
このくらいの選手にならないと、Wカップでは
活躍はできないだろう。



ハングリーさの足りない日本選手ばかりなら、
以前の様に、ブラジル選手を帰化させて、日本
代表にどんどん入れておくのも戦略の一つだし、
ACL、アジアの世界でJリーグのチームの存在感
がなくなることは、サッカー界の衰退に直結
するという危機感が、サッカー協会にないと、
2018年ロシアのワールドカップは、指定席
にはならない。日本が次のWカップに出場できる
保証など、今の時点では、なにもないのだ。




年棒とはクラブチームからもらう純粋な年棒
のことで、CMとかスポンサーからもらうお金
のことではない。そういうものを入れたら、
メッシ選手やクリロナ選手は100億近い
はずだ。







次期代表監督候補に、元メキシコ代表監督で
Wカップでメキシコを2回16強に導いた
アギーレ氏が上がっているという。
年棒は2億を予定しているという、サッカー
協会の話だが、いかにも安すぎないか?



こんな年棒じゃ、絶対日本には来ないと思うよ。