バイオテクノロジー:日米の差

武田製薬が、アメリカの小さなバイオ会社ゾーマ(XOMA)に
100億円を暫時支払う契約を11月始めにかわしたが、ゾーマ
株価は全く動かなかった。ゾーマ社の売上げは約20億円、純利益は
約3億円。規模から言ったら日本の一流企業が、アメリカのベンチャー
に手を差し伸べた格好。だが実は、抗体医薬品で、協和発酵、中外
製薬に遅れを取った武田製薬が、手っ取り早い方法として、抗体医薬の
技術があるゾーマ社に、研究を委託し、おいしいとこ取りを狙った
ものなんだが・・・・。


アメリカのヤフー・ファイナンスゾーマ掲示板を見ると、それ
なりに武田製薬の100億円の話は出ていたが、やはりそれは医薬
後進国と見られている日本。興味本位の扱いで、インドと同レベル
位の扱いだったが。株価が上がらなかったので、経営陣に対する
文句が、掲示板に渦巻いていたが・・・・・。



ゾーマ社の株価について言えば、武田と提携しても全く動かなかった。
僕個人の見解では、どうなってるの?って感じだったね。ニュースが
既に、アメリカの一般投資家に知れ渡っていたわけじゃないし、
やはり日本の大企業との提携では、アメリカの株価にインパクトが、
短期的には全然なかったみたいだ。ただ、長期的に見てみると、
ゾーマ社にとっての100億円は、5年分の売上げと同じ。
絶対、2〜3ドルレベルで株価が今後、推移するはずはない。
ただ、R&Dに係わるこの会社の財務諸表を、もう一度チェックして、
買いに入るべきだろう。



昨日も書いたが、ゾーマ社は、加州大バークレー校の優秀な頭脳が
作った会社で、ウェルズファーゴ投資銀行も、その保有比率を、
年々高めていて、全株の10%を超えるところまで来ている。
ウェルズファーゴもカリフォルニアの会社で、ゾーマ社もそう。
近いから買いやすいんだろう。


いずれにしてもゾーマ社は不可思議な株だ。EPSがプラスに
転じたら、20〜30ドルくらいに化けるかもしれないが・・・。
ただ、ウォーレン・バフェットと仲の良いウェルズ・ファーゴ投資
銀行が筆頭株主なので、敵はいっぱいいるだろう。誰かが、
大量の空売りをかけているかもしれない・・・・・。10年近くも
2〜3ドルを往復してるのは何かがあるはずだ。EPSがプラスに
転じないのも何かがある。まずアニュアルレポートのチェックで
すな。



話は変わって、米投資会社トラシンダの親玉カーコリアン氏が、
保有銘柄を変更した。GMから、MGMミラージュにしたとの事。
アメリカでは、空前のカジノ・ブームで、今期の利益は軒並み
上昇してるらしい。この日記では、優良株として、MGMミラー
ジュを薦めたが・・・・。個人的に言えば、優良株投資を
していれば、そこそこの利益は取れるが、大きな勝利を取れない
ことは、ピーターリンチもジムクレイマーも、その著書で述べて
いる。ファンドや機関投資家が買えない株を、リスクを取って買う
ことこそ、一般投資家に出来る唯一の対抗策なんだよね。


街に出て、トレンドを探る。何が売れてるか、探る。


セブンイレブンの創生期の株を、しこたま買うつもりで、
売れ筋のトレンドを探ろう。10年先のトレンドを・・・・・。
これは事業をするより、ある意味難しい・・・・。




そこまでしないと、
ベンチャー株式投資
は成功しない。



私はベンチャー株式投資家だ。
いや、そうなりたいね(苦笑)。