どの雑誌とは言わないが、ちょくちょく、「老後に
(旦那の定年後に)かかる費用はコレコレ、
したがってこの金額の貯蓄(あるいは投資)しよう!」
と、若い20代30代の家族に貯蓄・投資を奨励してる
雑誌がある。意図はわからないでもない。
貯蓄や投資をして、自分の口座に資金を入れとく事に
越したことはない。ただ・・・・
自分たちの親2×2=4人の介護費用は、これらの雑誌には
書かれてはいない。親たちが持っていた金融資産や不動産の
資産も書かれてはいない。
こういった、ごくごく個人的に非常に変動の大きい要素を
抜きにして、自分たちの老後のこと等、設計などできない
のだ。


年金にしても、元国家公務員なら月30万以上、
企業人なら月20〜30万。自営業者の国民年金
加入なら月6万弱(被生活保護者より貰わない)。
非常に変動が大きい。年金システムの崩壊で
今後は上の月額も定かではないが・・・


アエラ的に言えば(アエラをだめと言ってるの
ではない。私は愛読してます)、「だから勝ち組の
国家公務員になれ!国家公務員と結婚しろ!」と
なるのだろうが、人生それほど甘くない。
老いは、国家公務員だろうが、路上生活者
だろうが、平等に、一様にやってくる。
女性や子供達の現状を分析して「勝ち組」・
「負け組」に分ける。調査自体は悪くないし、
記事には僕も結構興味をそそられる。



核家族で、東京生まれ東京育ちで・・・・・
という条件がそろえば、どんな記事にも
感情移入できるが、さっきの老後の必要
資金じゃないけど、
貯蓄・教育・資産・仕事・家族形態は、
ますます多様化していて、日本人の
平均値が「コレコレ」って、出せない
時代になってるんじゃないかな?今は。



自分がガキの頃は(高度成長期の60年代
70年代は)、平均がマジョリティー
80%、残り20%が、上・下に突出した
層と、考えられてたが、今は、食事にしろ、
家族形態にしろ、就寝時間にしろ、教育費
にしろ、初婚年齢にしろ、資産にしろ、
何にしろ、個人差が大きすぎる。
アメリカ化してると言える。これを
格差って言うのだろうが、たとえば、
教育費にはこんなに使って子供を有名校に
入れた親が、平均よりひどい環境で住んだたり、
ほとんど昼飯がほか弁(ほか弁が悪いとは
言ってない。私もよく食う)だったり。
ある面では「勝ち組」でも、他の面では
「負け組」だったり。



個体差が非常に大きな時代になってるので、
一概に、何が「勝ち組」で、何が「負け組」か、
われわれ自身もわからなくなっているのだ。



ネットで情報が得られ、本当にすばらしい
時代に(特に90年半ば以降)なったが、
ネットや携帯でヤンキースの試合経過を
見るのと、ビールが頭上からどんどん
振ってくるヤンキースタジアム外野A席で
見るのとはおのずと違う。



「経験」っていうのは目に見えないが、
こういう個体差が大きい時代には、
何よりの財産になる気がする。知識も
大切だが、経験も必要だろう。
介護の経験、離婚の経験(離婚を推奨
してるのではない)、株で大損した
経験、年金を抹消された経験、
海外で置き引きにあった経験、



あるべき知識を教条的に説教される
より、経験を語られたほうが
心に染み入る事は多いのだ。
政治家には「経験」を語ってもらいたい。




明日から東北地方に日曜日まで出張。


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