日経新聞等を読むと、アメリカのサブプライムローン破綻の
影響で、日本株も下落したという論調だ。今日の一面にも、
保有していた日本株、主に輸出関連株の下落で、被害を
被って、しばらく株の取引は控える等など・・・・


しかしよくよく考えて見ると、以前も中国市場のバブル懸念が、
日本株の足を引っ張った様に、今回もアメリカの住宅バブル
(詳しくは住宅ローンがらみの資産・負債などを金融商品
して転売したのだろうが、テクニカルな問題はどうでもいい)
がはじけて、日本株の足を引っ張った。


世界の市場はどこも緊密にネットで結ばれていて、どこの
市場も独立的に生き残れる所などひとつもない。これが
ここ5年〜10年くらいの鉄則になってる。



ピーターリンチは、アメリカダウ工業が比較的不調だった
時代に、日本株(1988くらいまで)に投資して大儲け
した投資家が多かったと言っていて、自身も当時の日本株
大儲けしている。
しかしこんな時代はもうやってこないだろう。一部のディー
ラーだけ、世界とネットで繋がって株売買出来れば、その
恩恵を受けられるが、今は素人でも瞬時に情報をアクセス
できる。だからこそ、必要以上に、世界の市場の乱高下に
過剰反応してしまうのだ。そういった素人の個人投資家
心理を読んで大儲けしているデイトレーダーも多いはずだ。
例えば先日の、アメリカ市場の大幅下げの翌営業日に、
日経平均は800円くらい下げて、その翌日は500円ほど
上げている。目先の利くデイトレーダーなら、800円
下げた日に、輸出関連・住宅関連・銀行株など落ちている
株を拾い、翌日の上げで売り抜けていたはずだ。結果論
かもしれないが、大衆心理とコンピューターの特性を学ん
だ個人デイトレーダーは、初期資金と取引環境さえ整えば
既に億万長者になって、デイトレードから足を洗っている
はずだ。こういったデイトレーダーは、1985年当時も
全世界にいたのである。彼らは、証券業界の中にいて、
ディーラーとしてその環境の恩恵に預かり、大儲けしていた。
しかし、歴史は繰り返し、バブルが弾ける前に、足を
洗えなかったdealerは、ブラックマンデーや、
2000年当初の、ネットバブル崩壊で、全てを失い
市場から退場させられていた。



過去20年、過去50年の経験は今役に立たないのかも
しれない。しかし、上がったものは下がるし、下がった
ものは上げる。一時的なバブル崩壊は、投資家は何度
も経験している。われわれ個人投資家は、ナイーブに
なってはいけない。上がり続けると思ってもいけないし、
下がり続けると思ってもいけない。
上がり下がりがあるとわかっていれば、サブプライム
ごときで、市場から退場してしまうなど、考えられない
のである。下がったってもうけられるのが、証券投資
なのだ。今日の日経新聞一面の個人投資家は、上がる
ことしか考えなかったのだろうか?何でも買えば
上がると思うんなら、2倍になったところで一旦
売るべきだろう。早めに利益確定しておくことだ。
10倍に上がると思ってればここぞとばかり買い増し
に走るのが、この前の日経平均800円安なのだ。
所詮、株といっても投機的な(博打的な)側面が
一切ないとは言い切れない。手堅くやりたいなら、
貯金するか、国債でも買うしかない。
株投資でも目いっぱい投資しないで、資金の10%
づつ小出しに投資すればいいのだ。当たり前の事
だけど・・・・・。