名将の系譜(野球編)

日本プロ野球は、その創世期から読売(巨人)中心に回り、その読売に挑戦状を叩きつけたのが、地方都市福岡の三原西鉄だった。三原監督は読売から石をもて追われ、水原監督の読売に、日本シリーズ3たてで復讐を果たす。その水原読売で、現役最後の年に苦渋を舐めた川上哲治。同じく現役最初の年に苦渋を舐めた長嶋茂雄。この2人と王貞治、森、広岡の5人が、数年後に初めて巨人が西鉄を下す立役者だった。名将川上監督の日本シリーズ連勝伝説は、ここから始まった。時代は下り1980年代。広岡西武(西鉄の系譜)は森を参謀にし、またしても読売とあいまみえる。広岡西武は読売を連覇、森西武は更にパワーアップし、4たてで、トロイカ読売(藤田監督、王助監督、牧野ヘッドコーチ)を沈めた。牧野氏は川上監督の名参謀、森監督の恩師でもある。牧野氏は失意のうち亡くなる。この西鉄(のち西武)の呪縛を解き放ったのが、太陽から来た男、長嶋茂雄である。長い充電期間の後、監督を引き受けた長嶋は、引退間近の落合博満、ルーキーの松井秀喜、緒方選手の神憑り代打本塁打もあり、西武に初めて引導を渡す。読売が西武と初めて戦ってから、シリーズ初制覇まで、実に10年以上かかっていたのである。