転換点

日本の軍事費はGDP比1%だが(中国10%、アメリカ5%以上、韓国3%)今回の領海問題、鳩山前首相時の普天間基地移転問題、など米中との摩擦から日本は軍拡へと転換するかもしれない。 ハードとソフトで語れば、日本には決定的にハードがない。政治家がいかに理路整然と、評論家のように語っても、失った領海や制空権は戻ってはこない。 早急に海軍を再編して、経済水域、領海、シーレーンを安全監視すべきだ。 アメリカの民主党は歴史的に親中国で(共和党親日的)、しかも欧米の経済の低迷から現米国政府に軍拡の余裕はない。今回の尖閣諸島衝突で、なぜアメリカ軍は中国を牽制しないのか?と日本人は言うが、アメリカ軍の基本的スタンスは、領土問題は当事者間の問題で解決すべき、というものだ。日本に配備された米軍は、アメリカの利益に直接反する時のみ、出動する。日本が抱えている領土問題には、係わらないのが基本的スタンスだ。何故アメリカが、中国海軍の南シナ海東シナ海の進出を憂慮するのか?それは、東アジアでの影響力低下と太平洋での中国海軍との衝突を憂慮しているからだ。必ずしも、日本の権益がなくなるのを憂慮しているわけではない。こういった力学が国際政治なのだ。 片一方でせめぎあいながら、片一方ではしたたかに手を結ぶ。 アメリカの東アジアでのブレゼンスは今後、ますます低下するはずだ。鳩山さんが提唱した、東アジア共同体は理念はすばらしいが、東アジアはEUではない。東アジア、東南アジア域内での人的交流は圧倒的に少ない。まず人的交流ありき。それも、今回の様な東シナ海岩礁の島一つの問題でストップである。 日本がすべき事は政治的、経済的に、相反する事を同時に行うという、厳しい宿題だ。中国との人的交流を進めながら、海軍力を増強することである。 経済的には、各企業とも中国への依存度を最大25%まで減らす。できれば20%以下が望ましい。減額分は他のアジア諸国とのビジネスに充てる。 政治軍事的には、海軍力の向上である。日本は四方、海に囲まれた海運国。海洋での安全が日本の死活問題なのだ。空輸もあるが、海運をおろそかにはできない。日本の造船技術は第2次大戦前は世界で有数であった。 今からでも遅くない。商業用、軍事用に限らず、大至急、造船を急ぐべきだ。 どちらにしても、過去4年にわたり拡大基調だった日中経済、日中交流は、今回の東シナ海岩礁1ケの問題で、4年前以前に戻ったのは間違いないだろう。中国とビジネスして毎週上海に出張してる友人には、「気をつけて」としか言いようがない。 ビジネスマンもカントリーリスクを多少は、考慮しなければいけない。今回の事件は、そのきっかけにはなってるはずだ。 と、こんな事を書いてると午後3時過ぎに、中国の温家宝が、「船長を即時釈放しないと、中国はさらなる措置をとる」というニュースが入ってきた。いよいよ中国共産党政府に、今回の事件が道具として(権力闘争の道具として)使われ始めたようだ。 中国がとる次の手は、 1 大量の円買いドル売り介入 2 中国海軍の艦船を尖閣諸島周辺に派遣(威嚇行動) 3 中国在住日本企業に特別な税金の課税 などが考えられる。 日本側は中国漁船の船長が罪状を認否すれば裁判となり、この問題はもつれる。罪状を認めれば調書をとり、即時釈放となる。 民主党政府は黙って見てるだけでなく、中国の対抗措置の対抗措置のシナリオを、しっかり描いておくことだ。実際に何らかのアクションをとること。黙認だけでは問題は解決しない。対話もアクションの一つだ。民主党の外交のお手並み拝見だ。