日本のお家芸が、あだに

戦後、日本は鉱工業他の分野で、無駄のない経営を世界に示して世界をリードしてきた。有り体に言えば、コストパフォーマンスを追求した経営・物作り、で世界の追従を許さなかったんだが。 これが我々の強みであり、弱点なのだ。 今回の原発事故でも、最悪の事態を想定して、2重3重の原子炉防御システムを造らなかった。コストパフォーマンスが悪いからである。 つまり、危機管理システムを作れば作るほど、保険金掛け捨て状態になる。日本人の体質として、こういった保険掛け捨てという観念に乏しい。この傾向はほとんどのアジア人に共通する。保険金=無駄、という発想だ。 欧米的な発想で言えば、国家予算的な2重3重の危機管理システムを作り、日常的生活は停電など文句を言わず受け入れる。アメリカは例外だが。 よく大陸中国の家屋はオカラだと言う。その通りである。一般人の家屋は。共産党の建築物だけ、四川大地震でも丸々残ったという。推測の域を出ないが、原発施設も、大地震でも丸々残るのではないか?被害があれば、国民はパニック化し、共産党存続の問題に発展するからだ。 大陸中国の内陸部に行ってみると、観光地に漢や唐代の大理石造りの道が、今も使われてるのに驚く。日本の場合、建設業の利益を考えすぎているのか、デザインが古くさいと、すぐ建て替える。耐震基準の問題なら仕方ないが、他の理由なら許せない無駄遣いだ。どんな建築物でも大切なのは、見た目やデザインではない。何千年も使えることだ。簡単に言えば、地震に耐えるのか?津波に耐えるのか?である。テロリストの核攻撃を前提にして、原発の炉心と格納容器を設計すべきだ。これは保険金掛け捨てに該当するが、亡国の危機よりマシ。 津波対策なら、 2、3日前の自分の日記に書いたが、岩手県普代村を研究して、2重の対津波防波堤を造ればいい。沖合に一つ、海岸線に一つだ。高さは最低15・5m。これだけの防波堤を造っても町が全滅なら、それは地球のせいだ。本物の天災だ。

6500万年前に小惑星が地球に衝突した際、恐竜やほとんどの生物が死滅したが、小さな哺乳類は生き残った。いまアメリカのNASAでは、小惑星衝突回避の手段、シナリオを真剣に研究しているという。次の小惑星衝突に備えて。これこそ究極の保険金掛け捨てと言える。多分、年間予算は1兆円を超えるはずだ。つぎに小惑星が衝突するのは6500万年後かもしれないのに。 何にお金を使うかで、その国・国民の民度が測れる。 現政府と東電に、福島原発で、「この処置は無駄」とか、「この建設は無駄」とか、「この国にこれを頼むのは無駄」とか、言える権利は全くない。

何度も繰り返し言う。 この腐った原発には国家予算規模を投入しろ。投入しないと、子々孫々に渡り禍根災いをもたらすはずだ。既に災いだらけ、だが。国の原発事故処理は、幼稚で場当たり的だ。無駄金を遣う覚悟がないと、日本そのもののブランド価値を下げるはずだ。腐った原発は、幼児のオモチャじゃない。臭いものにフタでは終わらない。 国や東電が抜本的に、大金使って原発事故を扱うようになれば、外国はまた日本を信じるようになるし、日本からの輸入禁止処置も解除するはずだ。日本に不信感がある以上、客観的な放射能測定値で「安全ですよ」などと言っても全く意味を持たない。現に、日本人自身、福島産の野菜魚介類、茨城産のものなど敬遠するではないか?外国にとっては、日本産品なら全部同じなのだ。自分かが一番恐れるのは、日本人という事で差別されたり、海外渡航入出国が制限される事。 全て根源は腐った原発にある。 軽くフタをして収まる原発ではない。この腐った原発は「悪魔だ」と思い、6500万年後の小惑星衝突に大金使うつもりで、国家予算を投入することだ。少なくとも日本政府の不退転の決意は諸外国に伝わるはずだ。まだ、我々国民にすら、不退転の覚悟が届いていない。覚悟がないなら、現政府・政党は下野しろ。東電の賠償など、いま話すことではない。最高裁までいくんだから、逃げようはない。