ユーロ圏で第3位の経済規模を誇るイタリア。

その財政赤字は、ギリシャをはるかにしのぐ。

とは言っても、イタリアも日本と似ていて、

貯蓄率が高いらしい。




何10年も前から、アメリカは双子の赤字

苦しんできて、今もまだ双子の赤字のままだ。

詳しい統計を見ればわかるが、多分、先進諸国

内での財政赤字の順は、1.アメリカ 

2.日本  3.イタリア 4.英国 

の順ではないだろうか?




輸出・貿易、産業・技術面、マネージメント

や、イノベーションベンチャー的発想で

言えば、ダントツでアメリカに軍配が上がる。




イタリアは衣料アパレル、革製品、自動車、

化粧品、飲料ワインなど絶対的なブランド力を

持っており、イメージではほかのユーロ諸国の

追従を許さない。観光、ホテル、レジャー関連

も強い国だ。ギリシャと同列には扱えない。

GDP比の財政赤字で言うなら、むしろ、

ポルトガルアイルランド財政赤字のほうが

怖い。




翻って、日本である。

311の東北太平洋震災以来、日本の得意

分野の、製品の部材供給、サプライラインに

赤信号がともっている。円高で、国内工場は

空洞化し始め、タイの洪水では、さらに

新しい工場移転先を探さないといけない程、

追い込まれた企業もある。

数年後には、日本の国内貯蓄分が、財政赤

字を下回る事態に陥るという。




韓国の様な、一貫した輸出振興政策も一手

だろう。また、徹底した、ギリシャの様な

緊縮財政を強いられるケースになるだろう。




いままで、日本が追い求めてきたアメリカの

経済モデルは、いまの日本には適さない。

アメリカは労働者不足は、移民の国なので、

簡単に補える。

絶対的な科学技術力を利用して、一部の

富裕層をますます富ませる手法は、今後も

変化がないはずだ。この手法は、今後の

日本には全く当てはまらないと、政治家も

国民も、コンセンサスをもたないといけ

ない。アメリカは移民の国で、混血の国で

ある。若年者層の労働力補給は容易だ。

日本は、世界で冠たる、少子高齢化の国

である。発想の転換が絶対必要。




ビジネスモデルでも、福祉、教育、国家

財政でも、日本が見本にする国はもはや

アメリカではない。むしろ、オランダ、

デンマーク、スイス、オーストリア

ニュージーランドの様な国々をモデルに

すべきなのだ。人口構成を、なるべく若く

たもちながら、人口減少、GDP低下を

質で補っていく。日本がモデルにすべき国

は、アジアでは、シンガポールあたりでは

ないだろうか?




ギリシャ、イタリア、ヨーロッパの財政

赤字が問題になっている今はまだいい。

いずれ日本、アメリカの赤字が問題にさ

れる時期がくる。アメリカは許容量、打つ

手は多い。日本はどうだろうか?




もうちょっと、外国人を受け入れる政策

が必要になってくるだろう。観光で短期

間滞在するのはもちろんだが、長期的に、

日本語を使って滞在する外国人が増えな

いと、国家レベルの生産性はいかんとも

しがたい。中国、韓国・朝鮮系の外国人

ばかりでなく、ほかのアジア系、ヨーロ

ッパ系の外国人を受け入れる優遇措置を

講じるべきだろう。こういった措置を取

れば、長い目で見れば、日本が

スイス、オーストリアデンマーク

オランダ、ニュージーランド、シンガポ

ールのような国々になれるチャンスなので

ある。



TPPの議論が白熱しているが、TPP

はしょせん、貿易の物流の話である。

人的交流が、今の日本に求められること

なのだ。物が入ってきて、ロボットが

仕分けするような国を造らないことが、

大切だ。