久しぶりにサッカーの話しではない。政治の話しで
ある。


韓国の李大統領が、竹島の訪問を断行した。


国内では、強い反発、国外では、中国やフィリピン、
ベトナムなど、領土で係争点のある国々は、政治
パフォーマンスで、実効支配中の領土に政治家が
訪れることが多くなるはずだ。



日本政府は、韓国にたいして、大使を召還したり、
政治対話を延期したりしている。これでは、韓国
側にはたいして影響もなく、全く痛くも痒くも
ないだろう。


ある強硬派政府関係筋は、1.日韓通貨スワップ
協定の破棄、
2.韓国国債の売却、3.電子基幹部品の輸出停止
を検討せよ、と主張している。



しかし、公益機関と、一般企業ができる・あるいは
・出来ないことを、混同はできない。
上記では、1,2は政府筋の話しだが、3は、
民間の話しで、韓国を現時点で、北朝鮮と同じ
扱いにするのも、かなり難しい話しだ。



べき論・感情論などと、国家戦略は大きく
線をひいて考えるべきだろう。


我々日本人は、戦後教育のせいで、発想したり・
アクトする頭脳から、リアクトする・対処する
という頭脳に変えられてしまった。



何度もこの日記で書いてるが、今の
政治家や官僚のほとんどは、2世である。
2世の特徴は、ただミスをしたくない、
これだけである。



なので、韓国の大統領の虚暴で、政治的に
大きな変化が出ると考えるのは、あまりに
ナイーブだろう。


戦前の、石原莞爾関東軍)のような、
大局観を持った政治家や指導者・官僚が
いない国になったが、日本が今後、
安全保障をどうするか?という大局戦略
は、もう一度、練り直す必要があるの
ではないだろうか?



東シナ海南シナ海を「友愛の海」に
しようと、語った政治家がいたが(笑)、
物の
良し悪しは別にして、これでもこの
政治家にとっては、立派な大局観で
ある。



今、日本と唯一目だった領土問題が
ない国は、極東では、北朝鮮だけ
である。


1、中国:尖閣諸島
2、ロシア:北方領土
3、韓国:竹島
4、アメリカ:国内の米軍基地
5、台湾:尖閣諸島


アメリカとはそとめには、表立った
領土問題はないが、国内に貸して
いる土地が領土問題と言えよう。



さらに、安全保障や国家体制上の
諸問題で、今後、日本が
上記の5ヶ国+北朝鮮をどのように、
位置付けるかが問題になる。


私見だが、日本にとっては、
1.中共政府と台湾政府
2.韓国政府と北朝鮮政府
の固定化つまり、一国2政府が、国策の主体になる。



なので、この1,2の政策に
沿った戦術が、必要となるのだ。



尖閣問題も、竹島問題も大問題
ではある。だが、中国が統一され
たり、朝鮮が統一されることに
比べれば、問題でいうなら、いかにも
小さすぎる。



戦術的には、最上記の1.2.3の
戦術は韓国の痛手になるが、あま
りに表面的すぎて、日本の戦後の
評判を簡単に落とすことにもつながる。


なので、自分は、この日記に何度も
書いてるが、早く、北朝鮮の経済
開放に協力して、朝鮮の2国家分断
を固定化するほうが、多分、長い目で見て
朝鮮民族には痛手になるだろう。



だが、このシナリオには日本に
も痛みが生じる。北朝鮮への戦争
賠償の問題である。韓国には、
大平外相(故人)と朴通商外相
(故人)の間に、数回に渡る無償
円借款で、賠償にはけりがついてる
が、北とはまだ、である。



日本の政治家・外務省は、この問題
があるために、北のカードを使え
ないのだ。そして、できれば韓国
だけへの援助で済まそうと思って逃げている。



今の政府や外交官は、韓国から
金銭的な援助を間接的・直接的に
受けており、ずぶずぶの関係に
ある。


まず、そのあたりのエリを正さ
ないと、国民が納得する対外外交の基本的な国策は
出てこないのだ。


数千年スパンの歴史で見ても、朝鮮半島は大陸の勢力と日本の勢力がぶつかる場所で、先の戦争があってもなくても、領土係争問題は常々起こっていた。


侵略や戦争という言葉を脇に置いて、日本の国土や領海を守るには、まず前線に圧力をかけるべきだなのだ。韓国に対しては、頭ごなしに北朝鮮を解放化の協力していく方が、ダメージを与えられる。日本の領土領海に近いところで、中国や韓国が動いてくるのを待って、リアクトするから、なかなか日本は政治的に主導権をとれないのだ。

政治もサッカーと同じで(笑)、相手の一番嫌がるところで化学反応を起こす。すなわちそれは、韓国にとっては北朝鮮。中国にとっては、台湾、ベトナム、フィリピン、チベット、ウィグルなど。

アメリカが何故、軍隊を世界に介在させるのか?自国周辺の国境近くの諸問題を、有利に導くためなのだ。アメリカ周辺国と敵対する勢力と遠方から、自国周辺国に圧力をかける。


どこの国々も大なり小なり、「遠好近攻」の政策を取っている。


全て国境を接する隣国に圧力をかけて、自国を有利に導くためだ。


中国や韓国に圧力をかける基本は、「遠好近攻」である。


1、2、3もドラスティックな措置だが、
問題はリスクを取って、政府が断行できるか?だ。まず100%やらないと思う。

「遺憾だ。遺憾だ。大変遺憾だ。」
子供でも言える台詞である。


外交もサッカーと同じで、ディフェンスラインを上げることだ(笑)。日本近海で勝負しないで、韓国や中国が嫌がる国々と連携して、彼らを背後から牽制する方が、日本近海で対応するより100倍も効果があがる。



その辺の外交の基本が、二世議員や二世官僚には、わからない。
何度もこの日記で書いたが、「やられたら、同程度にやり返す」のが、国際的には常識で、外交上の社交儀礼なのだ。
今の政治家・官僚に、この感覚が欠如しているため、中国、韓国、ロシア、アメリカと対等な話し合いが出来ないのだ。


なぜ社交儀礼ができないのか?今の政治家・官僚に、対外外交の基本的な骨子がないからだ。「東シナ海を友愛の海にする」間違った政治信条だが、ないよりよい。いいかげんに、対処療法や、ただリアクト(反応する)だけの外交はやめろ、と言いたい。


韓国、中国、ロシア、アメリカ、北朝鮮。それぞれの国々に対する長期的な外交骨子を持たなければ、何度も今回のような事(韓国大統領竹島訪問)は起こる。


それぞれの国々に対して確固たる外交骨子があれば、大局戦略を変更する必要はないのだ。領土問題は大問題だが、ロシアへの外交骨子が、北方領土返還だけでは、大局観がなさすぎる。


軍国主義でも、拡張主義でもない日本の外交骨子は、いったい何なのだ?


芯のない外交骨子を、韓国、中国、ロシアに領土問題という題材で突かれているにすぎないのだ。


どうしても、韓国中国ロシアに対して外交骨子が頭に浮かばないなら、私見を再度書く。

1 中国2政府(中共と台湾)の固定化。大陸中国の細分化(チベットの独立・ウィグルの独立)

朝鮮半島の2政府の固定化(韓国政府と北朝鮮政府)

3 ロシアのさらなる細分化(チェチェンの独立)

1 2 3 を外交基本政策にして、日本は粛々とこの3ケ国に対処すればよいのだ。

もちろん、日本政府に1 2 3より、よりよい外交基本骨子があるなら、その限りではない。


領土問題だけが中韓露に対する外交の基本なら、政治家も外交官もいらない。


総選挙前に、政治家の外交骨子をじっくり聞きたいものだ。


もう中国韓国ロシアから投げられたボールだけを、追いかけ回すのは止めてもらいたい。

外交の基本はリアクト(反応する)ではなく、アクト(主導権をとる)することだ。