今、福島第一原発の水素爆発当時の対応の検証を、
故吉田所長の当時の日記をもとに行っている。
各新聞を読むと、当時のてんぱった状況が、手に
とるように解る。新聞の記事は、往々にして、
故吉田所長、あるいは東電本社、当時の民主党
政府に批判がいきがちだが、正確に、全てを
検証してもらいたい。福島県内の自治体も含めて、
当時の行動が、どこが悪くてどこが致命的だったか、
今後のためにもあからさまにしてもらいたい。





先日、福島県に行く機会があった。
福島市会津若松市〜南会津を回ってきた。
2011年事故当時も応援で福島に行ったが、今回は、
初めてガイガーカウンターを持って行った。
福島県のホームページに記載されている放射線量と
だいたい同じであることがわかった。もちろん、
場所によっては、ホームページの線量の1.5倍
近い場所もあったが、おおむね、ホームページの
線量に間違いないことも解った。川や湖など、
放射性物質が蓄積されるところは、2〜3マイクロ・
シーベルトを示す場所もあった。室内でも、0.5
マイクロ・シーベルトの場所も多い。だいたい、
0.2〜0.3マイクロ・シーベルトで1年いると
被爆量は年間2ミリシーベルト以上だと言われて
おり、年許容量の1ミリシーベルの倍以上になる。





それでも、空間線量は、福島市で0.4マイクロ
前後、郡山市では、0.2マイクロ、相馬市で、
0.2〜0.1、白河市で0.1マイクロ、
会津若松で0.05〜0.1マイクロ前後である。
測定場所にもよると言った方がよい。




低線量の被爆(0.3〜0.6マイクロくらい)を
10年以上続けたチェルノブイリ周辺でも、ひどい
原爆症原発事故の後遺症が起こっている。
そう考えると、福島県内の状況が決して望ましい
状況にあるというのは全くの誤解だろう。さらに、
汚染水の遮断をするために造っている永久凍土層の
完成は、無期延期状態で、汚染地下水の対策は
白紙状態である。東電は、政府からも援助されており
自分達は何をやっても潰れないと思っており、
決して、福島県民のためにはなっていないのは明白
だ。自分は、少なくとも、東電の当時の責任者は
法の下で裁かれるべきだと、3年間主張してきたが、
どうやらうやむやになって、東電の思うつぼになって
しまった感じだ。




週刊誌によると、事故後3年間で89名の児童に、
甲状腺腫瘍が見つかったという。あの当時、
政府や自治体が、もっと柔軟に対処して、ヨード
剤を配布し全児童に飲ませていたら、こんな事には
ならなかった。配布されていた地域も、国の許可
がなくて飲ますことができない自治体もあった。
多くの日本人がどう思うか知らんが、自分は、
当時の政府の対処の仕方は、「犯罪」の範疇に
入ると思っている。反原発というわけではないが、
当時のやりかたは、「水俣病」「イタイイタイ病
薬害エイズ」と同等の犯罪行為だと思っている。
きちっと、当時の責任者を、法の下に罰するべきだ
と思う。