消毒と滅菌(2)
すこし消毒と滅菌の概念がごちゃごちゃに
なってるので、ここで30年前の臨床検査
(PCR検査などする方々)の教科書を
おさらいしてみましょう。
消毒・・・病原微生物を死滅・消滅あるいは
その数を減少させる。滅菌は消毒の
完全な形と言えるが、消毒は滅菌を
代行することはできない
滅菌・・・すべての微生物を完全に死滅させる。
生きている状態の微生物が全く存在
しない無菌の状態にすること
次に、滅菌にはどういうものがあるか?ですが、
大まかに物理的滅菌と化学的滅菌が あります。
物理的殺菌・・・
1.火炎滅菌・・・武漢の街を焼き払っているのはコレです
2.乾熱滅菌・・・乾熱滅菌器で160℃で30分から60分放置
3.煮沸消毒・・・
4.平圧蒸気殺菌・・・
5.間歇滅菌・・・
6.凝固滅菌・・・
7.加圧滅菌・・・加圧滅菌器で、121℃、2気圧、15分間で
すべての微生物が死滅
8.紫外線殺菌・・・
9.放射線殺菌・・・
10.ガス滅菌(化学的殺菌へ)
11.音波滅菌・・・
化学的殺菌・・・
1.フェノール・・・細菌の芽胞(死滅しづらいもの)の滅菌は無理
2.クレゾール・・・同上
3.逆性石鹸(塩化ベンザルコニウム)・・・結核菌やウイルスには効果がない
効果が薄い。70~80%で殺菌力がある。
細菌、結核菌、ウイルスを不活化する。
芽胞には効果がない。
5.イソプロピルアルコール・・・エタノールより効果があるが
皮膚への刺激性が強い。
6.塩素ガス・・・強い刺激性と金属腐食性があり、上水の消毒以外
用いない。
7.次亜塩素酸ナトリウム・・・B型肝炎ウイルスにも効果がある。
8.クロルヘキシジン(ヒビテン)・・・ウイルスには効果がない。
9.ホルムアルデヒド・・・殺菌力は強いが著しい刺激臭がある。
10.グルタールアルデヒド・・・重炭酸ナトリウムでアルカリ性
にした2%溶液を用いる。
全てのウイルスに有効。
11.エチレンオキサイドガス・・・全てのウイルスに有効。
ほとんどの医療機器にはこの
EOガス滅菌を施している。
という具合に、いろんな滅菌法があります。
横浜のクルーズ船にも、消毒か滅菌をまず
施してから、検査に入る方法もあったかも
しれません。
ただ、消毒や滅菌もあまりに大規模に
なりそうだったので、敬遠したのかも
しれません。
集団感染した場合の滅菌プロトコールを
作っておくほうが、次回、もしクルーズ船の
ようなケースがあったらうまくいくんじゃ
ないでしょうか・・・
日本では感染症が少なくなって、滅菌・消毒
だけのプロは少ないと思いますが、まだ
古い時代の方々は、多少なりとも覚えていて
いいアイデアがあるかもしれません。
是非そういう方々も交えてコロナ退治を
して下さい、