自分の保有している、メリィディアン・バイオサイエンス
VIVO)1000株に保険をかける場合、


先週の終値は、約20.5ドル。



(1)来年夏までに、ナスダックがさらに30%下落と予測し、
   VIVO株も、14ドルまで下落すると予測する。

(2)6.5ドル落ちて、1000株所有なので、
   さらに6500ドルのマイナスとなる。



この6500ドル分の損を、オプションでどうやって補うか?



いろんな方法がありますが、基本は、プット買い、とコール売り。




まず、(3)コール売り、から。

自分の目論見に反して、相場が反転し、30ドルまでVIVO株が
上昇したら、安値のストライクプライスで今、VIVOを売ったら、
上昇分の株価が損になるので、
自分で許せる範囲の売値(ストライクプライス)を設定する。

自分で許せる最低の売値は$25.00


次に、限月(満期日)を設定する。
自分の相場の読みもあるが、期近(迫っている)の満期日では、
オプションプレミアム(売った対価)が、低いので、
今売れる最大長期のオプション限月を選ぶと、2009年4月。


したがって、2009年4月限月
      $25.00
      コール
      $1.65(1株に付き)のプレミアム
      10枚(1000株)
      売り建て

ということになります。

このコール売りが意味するところは、

2009年4月中旬までに、現在20.5ドルの
VIVO株が、25ドルを越えなければ、
1650ドルが、利益となる。   しかし、
25ドルを超えた場合は、25ドルジャストで1000株
売却しなければいけません。


さっきも書いたが、25ドルは売却できる最低の価格で、
これ以下では、売れないので、売れなくても、1650
ドル丸々入ればよしとする。
間違って、VIVO株が30ドルになったら、コール売りを
仕掛けてなければ、25ドルからの上昇利益分$5000
は、絵に描いた餅となるが、それはあくまで、後つけ講釈
で、25ドルで売れれば良しとする。


これで、現物所有の損失額6500から、5000ドルに
まで損が縮まる。




(4)残りの損失分をプット買いで補う。

同じく2009年4月限月のプット20.0ドルを
見てみると、オプション価格は約3.00ドル。
1枚(100株)の対価は、300ドル。

VIVO株が14ドルにまで落ちれば、

(20.0−14.0)×100=600ドルが
1枚の利益。オプション購入代金を差し引いて、
1枚あたり300ドルの利益。
計算上は、プットを16枚購入して、VIVO株が
14ドルに落ちた損を補填できる。

しかし、株価が反転した場合、
投資資金(300×16=4800ドル)はすべて
掛け捨てとなるので、プット買いは5枚とする。
目論見通り、14ドルに落ちた場合、
1500ドルの利益となる。



バードコールとあわせて3000ドルの保険。


コールは、株価が落ちればどんどんオプション価格が
さがり、
プットは、逆にどんどん上がる。


したがって、高値で売ったコールを満期日前に、
決済(買い戻)して、新たにコール売りをどんどん
仕掛ける。



ここまで練ってから、14ドルから30ドル付近
までのVIVO株の変動に対する、
損益表を作ります。
縦軸は損益($)
横軸はVIVOの株価(14〜30ドル)
時間設定は2009年4月とする。



2009年4月時の株価が、

株価22ドル:現物 1000株×1.5=1500益
       カバードコール分 1600ドル益
       プット分 (20−22)×300×5枚
            =3000損
       ネット**100ドル益**



株価21ドル:現物 1000株×0.5=500益
       カバードコール分 1600ドル益
       プット分 (20−21)×300×5枚
            =1500ドル損
       ネット**600ドル益**



株価19ドル:現物 1000株×1.5=1500ドル損
       カバードコール分 1600ドル益
       プット分 (20ー19)×300×5枚
             =1500ドル益
       ネット**1600ドル益**



株価18ドル:現物 1000株×2.5=2500ドル損
       カバードコール分 1600ドル益
       プット分 (20−18)×300×5枚
             =3000ドル益
       ネット**2100ドル益**


このように個別の損益を計算し、株価(1ドル毎)に反映した
損益をグラフ化します。詳しく計算します。





自分でグラフを作成すればわかりますが、
上の仕掛けの場合、21ドル付近から下値では、
爆発的な利益曲線が描けますが、
株価が上昇した場合、特にカバードコールの恩恵を
受けられない25ドル以上は、かなり痛手を受けるので
(何もしないで現物保有の方がましなので)、


株が上がった場合に備えて、期先限月の安くなった
アウトオブザマネーのコールを、
仕掛けの保険として4〜5枚くらい買っておきます。
(10枚買っても700ドルくらい)
さっき買ったプットと同じ量は買う必要ないで
しょう。こんなベア相場ですから。



これだけ仕掛けて、あとは株価が下がったら、
バードコールを買い戻して利益確定しながら、
新たに、コール売りを仕掛けます。


黙っていれば吹っ飛ぶ6500ドルを、
バードコールで防衛します。


これで毎日よく眠れます(笑)。






以上、女房に説明すると、「あんたのやりたい事も
よくわかるが、全部いま売却して、14ドルに
なって、新たに買ったら?」だと(笑)




バフェット氏も自己資産防衛にオプションを
活用しているのです。
素人の我々がやらなければ、ケツの毛まで、
ウォールストリートに抜かれてしまいます。