よくニュースで、日本人の平均寿命が年々延びている、喜ばしい
ことです、みたいなコメントがありますが、本当にそうでしょうか?

いろんな書籍を調べてみると、「人が亡くなる前に、いつ倒れて
いつ亡くなった、亡くなるまで累計どのくらいの期間入院したか?」
というものの統計を取った本はあまりありません。
どこかで読んだ記憶がありましたが、その本は、いわゆる介護や
寝たきりになった老人の、介護寝たきり状態から亡くなるまでの追跡
という形で、統計を取っていました。うろ覚えですが、介護寝たきり
状態に陥って長期入院とよべる状態に入って、だいたい1年内外で、
お亡くなりになるとの事でした。病気についても、全ての疾病(癌、
脳梗塞心筋梗塞、糖尿病の合併症など・・)で、長期入院したケース
を対象にしていました。1990年くらいの本でしたので、今では
この1年内外でお亡くなりになる、というのは、もっと伸びている
かもしれません。

私がいいたいのは、平均寿命が延びた延びたと喜ぶ前に、実働の
平均寿命を言うべきです。つまり、何歳まで、社会と呼ばれる組織で、
仕事やボランティアが可能だったか?です。今では、職業を持った
女性も多いので、男女ともこれからは、同じ基準で統計を取るように
なるでしょう。大病を押して、亡くなる直前までお仕事される方も
いるでしょうが、アベレージの方々は、大病からは長期入院、自宅
介護を繰り返し、最近の薬剤医療技術の進歩もあいまって、4年5年
と、繰り返すのではないでしょうか?こういった目に見える病気の
長期入院の他に、お年寄りには、アルツハイマー認知症脳梗塞
からくる認知症もあります。頭がやられているだけでは、長期入院の
対象にはなり得ないはずです。こういった事を考えると、さっき
私が書いた「実働平均寿命」が、意味をもつはずです。また、いままで
日本の女性は、夫によくかしずいて、夫が倒れたら最後まで介護し、
夫を看取る方が大半です。そういった主婦型女性が、女性の平均
寿命を延ばしているとも言えますし、今後は女性も仕事を死ぬまで
される方々が増えており、介護と言う面では、皮肉な言い方ですが、
全体的にはかなり手薄にならざるを得ないでしょう。

うちのカミサンはよく、「私たち(40前後)が、年取ったら、絶対
、平均寿命は短くなるよね」と言ってます。アメリカみたいに、お金
のある人=保険に入れて介護人を付けれる人=が生き延びて、お金の
ない人達は淘汰されていく老人介護を、日本政府は望んでいるので
しょうか?これからの私達、若い人達が、自分の親、配偶者の親まで
介護するため同居するでしょうか?私はたまたま流れで、カミサンの
両親を看てきてますが、どうなんでしょうか?いままでの様に、実に
日本的な家族の温情に頼った介護では、財政的にも破綻するはずです。
アメリカ型老人介護にするか、スウェーデン型にするか、日本独自の
ものにするか、つけを先送りにすれば、我々の子供の世代にいやという
ほどのしっぺ返しが(負の遺産が)おわされると思います。