仕事で京都出張のため、日記を書けなかった。


医療改革と、小泉政権は旗振りしてきたが、これ
まで、日本政府がアメリカに押し付けられて、
やってきた改革とは、ちょっとおもむきが違う。


第2次大戦後、繊維、鉄鋼、自動車、証券、銀行と
アメリカの要望に沿った形で、上記の業界を再編成
させてきたが、医療業界に関しては、必ずしも、
アメリカの意向ではない。なんで?というと、日本
財政赤字社会保険にかかる負担から、政府主導
で進めている。これはこれで趣旨はいいのだが、
問題がある。



医療に関して言えば、申し訳ないが、病院も医師も
メーカーも、アメリカの技術力にかなり劣っている、
という現実です。
例えば、証券業界も、かなり改革が進んで来たが、
内外の技術力はそれほど大差はない。繊維も鉄鋼も
自動車も銀行も、大差はない。むしろ、力をつけた
からこそ、アメリカのターゲットになった。じゃあ、
医療は?というと、これは全く違う。始めに、社会
保険の問題で、薬の会社がターゲットになったが、
そして改革も終わりに近づいてきているが、結局、
大企業、外資系の参入を日本に招いただけ。これは、
端的に、日本では、こと医療に関して言えば、技術
力のある会社しか残らない、ということ。決して、
日本資本のメーカーを育成することにはならない。
簡単に言えば、「移植」。日本では、倫理上の問題
で、出来ないのではなく、技術上の問題で、でき
ないのである。だから、被移植者は、アメリカに
高い金を払って行くのである。


製薬会社も、グラクソ・スミスクライン(英)であれ、
サノフィ・アベンティス(仏)であれ、ファイザー
(米)であれ、上層部が全体の舵取り。開発・マーケ
ッティング中枢部は、その国々(英や仏や米)の
国籍の連中が舵取りし、末端の実働部隊は、インド人
中国人、MRは現地人に任せるという方式。製品の
特許も、個人に帰属するより、会社の国籍に帰属
するやり方だ。個人が会社がらみの特許を申請する
のは欧米も、日本も難しいようだ。


話が違うところに発展したが、結局、技術力のある
欧米系のコングロマリット型会社には、歯が立たない
というのが、現在の日本の医療製薬機器メーカーの
現状であろう。


最近、厚生労働省は、医療の分野で、自国自前の
R&Dを急いでいる。これはこれで大変すばらしい
ことだが、だからといって、医療分野での輸入に
手かせ足かせするのは、問題だ。内外価格の調整を
するのはいいが、病院・医師・患者が、国外の良い
薬や機器の恩恵を受けるのに、どんな規制があると
いうのだろう?医療機器メーカーの機器のコストは、
当事国の物価やインフレなどに対応しており、
日本で、トルコ並みの、医療機器のコストを要望
するのは、虫がよすぎる。医療のコストが高いので
はなく、物価や給与水準が高すぎるのだ。


戦後、政府は、アメリカの圧力の下に、
繊維・鉄鋼・自動車・金融業界で、内外価格差や
内外のサービスの差、改革開放は消費者のため・・・
という錦の御旗を振りかざしてきた。
繊維・鉄鋼は、輸出では見る影もなくなり、自動車・
金融(証券・銀行・郵貯)では、特に、消費者に
メリットがあったようにも見受けられない。今の
ところは・・・。翻って、医療改革はどうなるの?
またどっちつかずの改革?って思っちゃうんだよね。