アメリカを社会保障制度の先進国という
評論家は誰もいないが、日本のように、
アメリカとヨーロッパの社会保障のいいとこ
取りをして、自壊していく国もめずらしい。


この日記でもよく書いているが、アメリカは
昔から、外敵が必要な国で、70年代はソ連
ありもしない(あったかもしれないが)敵を
捏造して、経済を活性化させる。
いわゆる、当時の、ミリタリー・インダスト
リー・コンプレックス(軍産複合体)。


日本の製造業のほとんどが、この軍産複合体
下請けとなり、当時は潤っていた。


前置きが長くなったが、今は、Pharmaceutical
Industrial Complex(私の造語で、メタボ複合
体)の時代。
アメリカは、外敵ばかりでなく、内なる敵にも、
照準を合わせてきた。
どういうことか?というと、「メタボも金になる」
と、
アメリカ医療産業界が真剣に考え始めたという事。



平たく言えば、ありとあらゆるファースト
フード店、ジャンクフード店を世界に輸出し、
人々の味覚をアメリカ的な標準にさせ、メタボ
リックなシンドロームを作り出す(笑)。
そこで、アメリカ(ヨーロッパの一部)の
医療業界・製薬業界のお世話にならせて、
軍産複合体のように、経済的においしいおもいを
しようと、いうもの。



今僕が書いたことは、ちょっといき過ぎですが、
日本の現実は、メタボ産業界のシナリオに
かなり近いものになってますね。


昨日の、日経新聞(夕刊)に、京都の大学病院
のドクター(病院長)の小さなコラムがあり、
こんな事が書いてあった。


身寄りのない老人や、老夫婦の一方が、要介護
であったりしたケースで、病気になった場合
(癌などの成人病)、病院(医療従事者)では、
対応しきれない面が(経済的にも)、昨今、
急速に増えてる、と言う。


急速に核家族化したため、身寄りのないお年寄りが
増えており、経済的に医療の恩恵に預かれない方が、
行き場がないので、暫定的に病院にいてもらう
しかない、らしい。


確か結論的に、このドクターは、ドクターを含めた
医療従事者は、難病治療等に目がいきがちだが、
足元の問題(予防医療、老齢化と孤独など)に
もっと目を向けるべきだ、と述べていた。



20年前、40年前、60年前に、孤独なお年寄りが
いなかったか?というと、僕の認識では、確かに
いたはずである。それはそれとして、
自分の祖母や祖父も、長生きしたお年寄りは、
総じて、今ほど薬には頼らず、お亡くなりになる
直前まで(多少のボケはあっただろうが)、何がしか
の社会活動をなさっていたのである。
神社仏閣等での活動や、地域社会活動など、結構
あったのだ。今の団塊リタイヤ組みのように、
猫も杓子も旅行!旅行!ばかりではなかったのだ。


当時と今のお年寄りの一番の違いは、当時のお年寄り
は、薬で生かされていたのは一部の大金持ちだけで、
ほとんどのお年よりは、自分で自分の生活をコント
ロールできる状態にあった方々が、多かった。


そこで、今さっき僕が作った造語(メタボ複合体)、
なのである。
今の製薬会社はすごい。糖尿病だったら、服薬して
もすばらしく効くし、なんせ20年前にはなかった
インシュリンの皮下注射もある。
余病の管理さえしっかりやれば、薬とインシュリン
すぐ死ぬことはない。
このことが、いいのか?というと、若年性の患者さん
には福音かもしれないが、
ご老人で、20年前30年前なら確実にお亡くなりに
なってる方々まで、薬と国の財政で、お亡くなりには
ならない。
病気を患ってるご老人が、健常のご老人の様に、
生活できるのであれば別ですが、薬の管理さえ
人任せじゃないと、生きていけない。


ここで僕は「うーん」と唸るしかない。
嫌な話、そういうお年寄りでも、資産や年金がいっぱい
あれば・・・・・・と、思うのはご家族ばかりでは
あるまい。お金さえあれば、介護地獄の末に、
心中なんてニュースは聞かないはずだ。
だから僕は、地獄の沙汰も金次第、って以前の日記で
書かざるを得なかったのだ。


日本の社会保障もはっきりしたほうがいい。


北欧型(僕はこちらがいいと思う)か、
アメリカ型か。(アメリカ型ならますます
弱肉強食、格差の世界ですよ。)
いいとこ取りで、こっちは北欧、こっちは
アメリカでは・・・・・・ちょっと
困るんだよね。


消費税30%40%になっても、
老後が北欧並みになるなら、みんな
支払うと思いますよ。
問題なのは、老後の社会生活を設計
できない日本政府のやり方であって、
消費税の税率じゃないんだよね。
公務員の呑み代になる消費税を払おうっていう
国民はいない!っちゅーの。