外交も、株も、基本は同じ

株式投資で一番大切なのは買値を忘れること。すなわち、現在の時価が、買いにみあうか、買いに値しないか、だけだ。株式投資は未来についての問題で、外交も同じ。 政治家は歴史を忘れては困るが、過去にこだわってもいけない。 北方4島について言えば、旧ソビエトゴルバチョフからエリチンの時代に、一時期、まず歯舞、色丹島の2島返還を日露の平和友好条約締結の条件にするという考え方が、ロシア政府と一部自民党にあった。当時ロシアは旧ソビエトを打ち倒した時期で混乱しており、日本との友好を望んていたが、日本側も経済は今より全然良かったので、2島返還なぞ、自民党の支持率を落とすだけと、問題にしなかった。自分は当時、ロシアが2島返還するかもしれないというのに、何故、自民党はこれらを頂かないのか不思議だった。千島列島の実効支配をしているのはロシアである。2島もらっておいて、友好条約などで経済人的交流を深めてから残りの2島について考えれば良かったのだ。 自分は商売人だから、ただでくれるというのに、それに乗らない日本自民党政府に、当時違和感を感じた。歴史は記憶していても拘っては意味がない。問題は今後、北方4島をどう考えるか?今後、ロシアとどう付き合うか?だ。ロシアは付き合い難い隣人だが、少なくとも彼らはマルクスレーニンスターリンを葬り去った国だ。中共より評価すべきだろう。個人レベルでみると、ロシアには親日が多い。ロシアが大平洋アジアヨーロッパイスラムなど全方位に、経済力、軍事力を行使するには無理がある。サッカーW杯予選で、オーストラリアの様にアジア予選に入ってくるだろうか?それはないだろう。トルコ、イスラエルタジキスタンなどもアジア予選には入って来なかった。これらの国々もサッカーでは、ヨーロッパ志向である。経済はアジアで、サッカーではヨーロッパというのは手前勝手すぎよう。分散すればするほど、何にも得ることはないはずで、それはロシアも知っている。東京にいるロシア人はモスクワ経由で来ている。ロシアはヨーロッパなのだ。ここまで東西に伸びきったロシアの国土には隙がある。聞くところによると、ロシアにはモルドバ、バルト3国、アゼルバイジャンあたりと、旧ソビエトが掠め取った領土問題があるという。日本政府はこれらの国々(小国かもしれないが)と、旧ソビエト時代の領土問題を検討するホォーラムを設けたらよい。外交とは今後を発展させる策を練り、政治家が実践することにある。日本政府と官僚から聞こえてくるのは、「手詰まりだ。対抗策がない」の言葉ばかり。中共相手にも、ロシア相手にも「遺憾だ」を繰り返すばかり。 政治家は言葉ではない、実践だ。 動いてナンボの商売だ。現状維持、現状固定の日本政府の政治スタイルは、ゴミ箱に捨て去るべきだ。日本政府と官僚は、外交について、短期(3ケ月)中期(1年)長期(5年)の工程表を作成し、発表し、どこまで達成できたか、できなかったか、普通の日本企業、学生、自営業者がやる分析を、自分自身に課するべきだ。