米国の駆逐艦(横須賀港が母港)が、南シナ海
中国の人工島22Km 内に侵入、パトロールをした
との事だ。



フィリピンやベトナムが、人工島建設に反対して
大騒ぎしていたのは2年近く前。
欲を言えば、2〜3年前に米艦隊を派遣すべき
だった。



中国共産党は、一度決めた「綱領」をなかなか
変更できない特質がある。中共の「海洋進出」や
「抗日歴史戦」は、江沢民の時代に制定した
「綱領」を基にしている。
中共が自分たちで制定した「綱領」を変更
して、米国や日本と「妥協」する可能性はほぼ
0%だろう。



今後について推測するのは難しい。
米中の軍事的な小競り合いに発展するのか?
米中間で妥協が生まれるか?
米中間の場合、日中間より、裏のルートが多い
ので、着実に「裏での対話・交渉」もやって
いるだろう。危機管理のシステムも整って
おり、すぐに「軍事力行使」という選択には
ならないだろう。





日本はどうすべきか?だが、
専守防衛であっても、海軍・空軍力を向上
させるのは必至であろう。
東シナ海のガス田では、日中の共同掘削を
目指していたが、今となっては、日中の
中間線を死守できるか?という状態。
尖閣諸島近くでもあり、きな臭い海域
で、海軍を正面から派遣できないが、
南西諸島〜沖縄諸島にかけて、地道に
海軍基地を増強して、対中国の海洋
進出に備える。現実に今の自民党政権
進めている「離島防衛構想」を、確実に
遂行するしかない。
日本は島国で、領海や経済水域は、広い。
この海域を本気で防衛するには、海軍力
を向上させるしか手はない。




実際問題として、中共が、一度公海上でも
「人工島」を造成して、米国の要求で、
それを破棄・破壊して元の状態に戻す
ことなど、絶対にあり得ない。もちろん、
中共が崩壊して、その後の混乱期に
フィリピンやベトナムが以前の領海を
自国に復帰させることはあるだろう。
共産党が続く限り、「失った領土領海」
は二度と戻らないと思っておいた方がよい。




先日、習近平が英国に行って厚遇されたが、
実は、ヨーロッパも中国の政治的影響下に
ある。ドイツ・英国などは、経済と政治
を分離し中国から経済的な恩恵をこうむろう
とする。これは韓国も同じ。しかし、
ロシアを考えると、欧州も同じだ。つまり、
ロシアが欧州、特に西ヨーロッパまで
軍事力で脅せないのは、米国の存在がある
からで、一旦、米国が欧州・NATOへの影響
力を減らせば、ドイツですら、ロシアへの
対抗措置で軍事費を増強せざるを得ない。
今のように、ドイツも経済だけでは済まさ
れない状態になるはずだ。



クリミアで起こっている事と、南シナ海
起こっている事は「表裏一体」なのだ。
もし米国や日本が、ウクライナで起こっている
事を無視したら、西欧はどうなるだろうか?
ドイツも英国も、中国との経済同盟に血道を
上げる余裕はなくなる。軍事費を増やさざるを
得ないからだ。もちろん、ロシアに対抗する
ためだが・・・・・




ヨーロッパの幸運でもあり、悲劇なのは
ロシア・中国と地続きなこと。ユーラシア
という表現でも解るが、ユーロ+アジア。
米国と日本は、孤立主義でも生きていける。
それは歴史が物語っているが、ユーラシア
は、中国ロシアを無視できない。



ロシアに正義を求めるなら、中国にも
正義を求めるのが「民主主義」という
ものだ。





歴史的に見て、中国・ロシアが西欧を
脅かしたのは3回ある。


(1)漢の西方遠征・匈奴駆逐
   ➔ゲルマン人移動
   ➔ローマ帝国崩壊

(2)モンゴル欧州遠征

(3)ソ連の東ヨーロッパ支配




日本も(2)元寇で2回も大変な危機に
陥ったが、日本遠征軍に加わったのは
モンゴル人ではなく、大部分は当時奴隷的な
身分の中国人や朝鮮人で、士気は高く
なかった。




今回の南シナ・クリミア問題も、中露の
拡張政策の一環で、上記の(1)〜(3)
に近い状況になりつつある。
中国の海洋進出は、歴史的には初めてだが、
中共の「新シルクロード構想」にもある
ように、ユーラシアの西方諸国は、良くも
悪くも、中国の膨脹化の圧力を今後、
ますます受けていくだろう。そういった、
コンテクストで見ると、ISISのシリア
侵入、ロシアのクリミア侵入は納得でき
るし、シリア難民の西欧流入もごくごく
自然な流れなのだ。



旧ソ連の衛星国、ポーランドハンガリー
などが、ロシア嫌いドイツ好きで、何とか
EUの崩壊は免れているが、それもこれも
NATO、つまり、米国のおかげ。一旦
米国の軍事力が削減されれば、EUは、
ドイツの軍事的支配下に入るか、露・中
合同軍の軍政支配下に入るかしか考えられない。




今、ユーラシア大陸で起こっている、
ISIS、ロシアのクリミア侵攻、ウイグル
のテロ、シリア難民流入など、全て、上記の
(1)〜(3)の歴史の繰り返しで、
ユーラシアの東から来る圧力に耐えかねて
西に西に、その圧力が抜けているだけ。
太平洋や南シナ海に抜けようとする圧力は、
どうにかこうにか押さえている、そんな所。




日本は、自国だけでも、その海域を防衛
しなければならない。
以前、この日記でも書いたけど、あとは、
うまく「新生中国」と手打ちして、太平洋
に進出するのは目をつぶる。



こうなった時点で、米国と中国の本当の
戦いがはじまるはずだ。
今は、米国も中国も、太平洋で対峙する
必要はない。日本がいるからだ。ただ、
日本側から言えば、日本の領海と経済水域が
担保される限り、公海である太平洋に
中国が進出する事に、公然と異議を挟む
必要はない。
いまの、英国の様な立場である。



その時に、本当の、雌雄を決する戦いが
米国と中国の間に起こるはずだ。



自分は、それまでに、大陸は、台湾の
国民党か、大陸の民主勢力が、共産党
駆逐していると見ている。あと100年
以内に起こってくれればいいね(笑)