科学的根拠

放射線の専門家が、「東北の農産物は危険で、食べない方がいい」とテレビで発言し、謝罪を要求されている、らしい。


放射能が人体に悪いのは、当然だが、どの程度まで、許容できるかは、未だに不明なのが問題なのである。



チェルノブイリ事故で、長崎大学医学部が、事故後10数年疫学調査して、「小児の甲状腺腫」の発症に関してのみ、明らかに有意差を認める報告をしている。 また、ロシア、ウクライナベラルーシなどの医学専門家は、チェルノブイリ周辺で、脳血管、心臓血管、糖尿病、高血圧、高脂血症などの疾患が、有意に増加したと発表している。



また、チェルノブイリ事故の処理作業に直接従事した作業員も、事故後数年までに、数百人〜1000人近く死亡したと発表していたはず。



記憶に多少のズレはあるが、チェルノブイリ事故で成人と子供あわせて25万人が直接死亡したとする、英国調査機関の発表と、旧ソ連の発表は大きく異なっている。



実際はどうなのだろうか?その英国調査機関は、今回の福島原発事故で、「日本国内、特に東日本で今後10年間で100万人があらたに癌で死亡する」と、先日、報告書を出している。
1年間に10万人があらたに(追加で)癌で亡くなるという推定は、無視できない報告だ。この報告書が、正しくても、間違いでも、大問題である。




政府は、実際にチェルノブイリ事故で、どの程度の放射能がどの程度の人間を被曝させたか。そして、本当に、事故が原因で、どれだけ死亡したかを、客観的科学的に数字で示すべきだろう。



放射能に恐れを抱くのは大切だが、科学的根拠に基づく議論をしないと、今後の対策は立てられない。



もし英国の調査機関が正しいのであれば、これは農産物云々カンヌンの問題ではない。
ただちに半径100KM圏内の住民を避難させるべきだ。
ホットスポットと呼ばれる地域の住民もだ。
旧ソ連でもやれた事だ。



この日記で以前書いたと思うが、チェルノブイリ原発では今だに放射能が漏れているが、 原発正門付近の放射線は何十マイクロシーベルト、高くても数百マイクロシーベルトのレベル。かたや、福島原発の正門付近は、ミリシーベルト〜数百ミリシーベルトの数値で、チェルノブイリの最低10倍以上、100倍〜1000倍近く放射線量は高いようだ。
とても人間が近づけるレベルではない。



3月中に降り積もった放射能の除染を早く進めるべきだ。チェルノブイリ原発事故は、広大なソ連で起こった事故。汚染地域を離れて新しい土地に行ける。汚染地域の除染など必要なかった。日本は狭いので是非とも除染をして頂きたい。狭いからこそ、除染は可能なのだ。政府が主導してやるべきで、疲弊しきった被災地の自治体に任せるのは、犯罪である。



20年待って、英国調査機関の報告が正しかった、スミマセン、では困るのだ。



自分は東京近郊に住んでるが、最近、あまり外国人旅行者をみかけない。
当たり前である。
みんな放射能が嫌なのだ。

日本政府が何らかの除染措置を講じない限り、311以前のレベルに外国人旅行者数が戻ることは、絶対にない。



逆説的だが、20年経って、放射能の影響がわかった時点で、以前のレベルに外国人旅行者が戻ってくるかもしれない。



どちらにせよ、国内の観光産業は、その時は既に壊滅しているだろう。


全責任は東京電力と現政府にある。