領土問題

台湾政府(中華民国)は、尖閣諸島について、大陸中国とは共同ではなく、その領有権を日本政府に通知した模様だ。
現在の東アジア、東南アジアの領土領海の問題を見る限り、非常に複雑さが増している。

南シナ海東沙諸島南沙諸島西沙諸島、そして尖閣諸島、さらに、中韓の係争地域、韓国北朝鮮の係争地域。日本に限れば、竹島北方領土

南シナ海の島々などは、実行支配している国々が、10ヶ国近く、領土を主張している国々は10ヶ国以上にのぼる。

よく日本は、ロシア中国韓国と大変な領土問題があると言うが、日本の経済水域から見れば、微々たるもの。もちろん、その海底資源については知り得ないが。


さて、何故、こんなに東アジア、東南アジアの島々の領有権が騒がれるようになったのか?
アジア(日本、香港、シンガポール以外)の国々の経済発展による理由が大きい。日本型の経済発展で美味しい思いをした国々は、産業発展では、資源が不可欠と身をもってわかったからだ。

もちろん、強大化する中国に対して、その警戒心から、自国の海域を以前よりまして守ろうとする意識も働いている。
経済発展という正(プラス)と中国の強大化の対抗という負(マイナス)の二つの理由が考えられる。

問題は今後、どういう展開になるか?だ。


簡単に書く。日本側から言うと、中国ロシア韓国との問題、すなわち尖閣諸島北方領土竹島の問題は、悪くとも現状維持で10年でも100年でも対峙することだ。この3係争地域だけで押さえておけば、中国に第2列島ライン(小笠原諸島マリアナ沖)への進出の口実を与えないからだ。

もうひとつは、中国ロシア韓国と領土的に敵対する諸国、そして中立的なアングロサクソン諸国との連帯を維持すること。中国と領土的に敵対する勢力は、印インドネシアベトナム、モンゴル、チベット、ウィグルなど。ロシアと領土的に敵対する勢力は、バルト諸国、モルドバグルジアなど。韓国と領土的に敵対する勢力は、ズバリ、北朝鮮だ。

アングロサクソン諸国(米豪加英ニュージーランドシンガポール)は、状況に応じて、中国側ロシア側につくこともある。ただし、それは自由と民主主義、民度が日本を中露が上回った場合。後100年は無理だろう。アングロサクソン諸国は、目の前のニンジン(経済)だけでは動かないはずだ。


次に、日本は、いつでも尖閣諸島北方領土竹島で中露韓と共同事業をする用意があるとメッセージを発し続けること。


最後に一番大切な事だ。1920年代〜1945年の全てを失ったあの時代のコピーを絶対、繰り返さない事。
言っておくが、第1次大戦だけで、日本が止めていれば、南樺太、千島列島、台湾、南北朝鮮、中国の大連・旅順・奉天東沙諸島南沙諸島西沙諸島マリアナ諸島なども日本領土だった。
満州に拘り、孤立無援となり自滅した日本。


不謹慎とわかっていて書くが、たとえ尖閣諸島北方領土竹島が中露韓にタダでくれてやっても、日本の南大平洋上には世界第6位の経済水域がある。


大切な事は、貪欲になり過ぎて、大切なものを失わない事だ。


英国やフランスが、旧植民地国が次々独立したり、海外にある権益が、どんどん縮小していった時、どんな戦略をとっただろうか?1945年〜2000年くらいまでの話しだが。


日本だけ、という、小さな枠組みでは、最終的には孤立化の袋小路に入るだけだ。

日本の国際化という面で考えると、白も黒も黄色も同じ。中国人(中国政府)や韓国人(韓国政府)にばかり、特典を与えてはいけない。セネガル人も、ウクライナ人も、モンゴル人も同じ。


日本にいる中国人や韓国人ばかり意識した政策を考える以上、いつまでたっても「謝罪」という呪縛からは逃れられない。
本当の意味で、日本を国際化する。シンガポールの様な国を作ることだ。そうすれば、日本の持つ南大平洋上の世界第6位の経済水域がもっと重みのある水域になるだろう。
孤立化の反対の政策をすれば、日本本来の、海洋国家の特性を活かせるに違いない。