世界の人口の半分が中国人になったとしても、たぶん、「中国夢」は
達成されないだろう。
自分も、中華圏に何度もビジネスや観光で足を運んだし、米国にも
住んだことがある。その経験で言えば、
大陸の発する言葉には、世界が共感できるメッセージは、アメリ
よりもかなり少ない。例えば、習が発する「中国夢」という言葉。
国内では愛国心反日反米で、かなり共感を呼ぶだろうし、世界に
在住する華人にも、それなりの共感はあるだろう。だが、
それ以上の共感はない。





ここに、いま大陸が抱える病巣がある。




歴史を紐解いて、大陸で、漢の時代、唐の時代はどうであったろう?
同時期に繁栄していた、ローマ帝国ペルシャ帝国も、この
中国大陸の漢と唐には少なからず影響を受けていた。唐や漢の
周辺諸国はなおさら、中国大陸に感化されていたのである。
この時代は、「中国夢」と誰が呼んでも問題はなかったであろう。





今はどうなのであろうか?
確かに、経済力は世界第2位で、軍事力も米露に続き第3位だ。
しかし、大陸には致命的な欠陥がある。
民主制度である。こと、民主化民度を見れば、太古のギリシャ
以下と言わざるを得ない。





中国は、ロシアの経験を学ぶべきで、共産党や解放軍の
プロパガンダばかりを重視しせず、国民一人一人の自由を
最優先にすべきだろう。もし、そうしないと、いずれソ連
の二の舞になるからだ。
共産党と解放軍だけが許した制度や法律、彼らが許した
報道や言論だけでは、「中国夢」は決して達成できない。






民度を高めて、政治改革し、民主化すること。
これが、回り道のように見えるが一番「中国夢」を
実現する早道なのだ。我々日本人から見ると、
中国夢を実現するために、欧米台湾シンガポール香港
韓国の不動産を買いあさるのではなく、大陸内で、中産
階級を育て、大陸内で中国夢が完結できる仕組みを
作る。これにつきるのだ。





日本は、軍事力と経済力を維持し、米国や価値観を
同じくする国々との連帯で、積極的に中国を
無視することはできるだろう。
しかし、そういった政策も問題があるのだ。
大陸内部に入って、金儲けだけで完結させる方法
もある。それにも問題がある。





民主化自由主義化、著作権問題や政治改革などの
諸問題は、積極的に、中共に「内政干渉」すべき
だと、自分は思う。
あと10年20年で、中国に「ゴルバチョフ」や
「エリチン」が出現しないと、誰がいえよう。





周辺国でそれができるのは、日本だけである。
台湾、香港の、立憲勢力、米英に亡命した中国
活動家と連絡を緊密にして、日本は自国のソフト面
での「安全保障」をすべきなのだ。




米国や西側は、中国大陸の隣にあるわけでない。
軍事力での手助けはあっても、内側から大陸を
変える試みはしない。




日本政府は、中共に、民主化(立憲制、選挙被選挙権
、言論閲覧の自由、司法の独立など)、
公式に注文し、内政干渉すべきだ。
こういった努力もせずに、いきなり戦争もないだろう。
こういった努力もしないなら、日本政府は戦前の満州関東
軍以下と謗られても、返す言葉はないだろう。




大陸へのソフト面での関与を積極的に行うべきだ。