バイデンが韓国に向かった。米国は韓国に防空識別圏
拡大の中止を求めているが、韓国は応じない模様だ。
米国民主党の限界を露呈しているが、そこは置いといて、
韓国が識別圏を拡大した場合、直接的には、日本に
大きな影響はないが、中共に抗議した以上、同様に、
表面的には厳しく非難することが考えられる。
日本が竹島や他の空域に「防空識別圏」を拡大するか
どうかは、不明だ。




ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)の記事では、
バイデンの中共に対する「防空識別圏」を半ば容認
する発言は、米国の長期利益にはならないと、今の
民主党政府、オバマを厳しく非難している。また、
WSJの別の記事では、今後、中共が別の空域(南シナ
海や海南島周辺、インド国境など)に識別圏を設定
した場合、今回の妥協策がマイナスに働き、ますます
中共の軍事圧力を跳ね返せなくなるという主旨の
内容があった。一方ファイナンシアル・タイムズ(FT)も
昨日の記事と同様に、一旦、新興国の軍事力に屈し、
何かを妥協してしまう事は、長い目で見てネガティブ
な結果を生むという主旨で一貫した論調だ。






ここまで1週間くらい、日記に日中の政治対話をと、
書いてきたが、自分の主旨は、中共に譲歩しろ、と
いうことではない。
日中双方とも、尖閣諸島の領有問題に縛られて、
大局を見失っているという事を書いているのだ。





日本は、米国の同盟関係から、軍事行動のプロトコル
は全て、米国の規範に沿って行うだろうし、その
枠を外れて、中共に立ち向かう事などできない。
軍事情報、軍事技術情報も米軍と共有している。
それらを、中共に売り払って裏切って、対話の
テーブルに着くことなど、物理的に言って不可能
だろう。





しかし、日本の今後を考えれば、「富国強兵」は
必要なのだ。ただ、誤解してほしくないのは、
戦前の様な「富国強兵」ではなく、スイスや
シンガポールの様な国を、長期的に目指す方が、
地域の緊張緩和に役立つと思って、日記を書いてる。
国民皆徴兵制を敷いて、永久中立など成り立たないと
初めから嫌がっていたら、結局、自立は出来ない。
今すぐが無理なら、徐々に変えていくべきだろう。






戦争に至るには、日中間の誤解、政府レベルでも、
民間レベルでも、経済界のレベルでも、それらが、
マックスの「誤解」に触れた時に、勃発する。
中国がわの誤解は置いといて、日本側から言えば、
尖閣諸島の領有権問題」が、「中共覇権主義
拡張主義」に結びついてしまった「誤解」がある。
この「誤解」は、日本側が解く「誤解」ではない
と、自分は思う。もしただ単に、2国間の領有権
問題であれば、何かしらの解決策はあるだろう。
しかし、安部政権に代わって、日本側は、中共
海洋覇権主義を表だって非難している。
この世界観を持って公然と非難しているのは、
1.日本政府、2.フィリピン政府、3.フィナン
シアル・タイムズ、4.ウォールストリート・
ジャーナル、5.米国共和党、6.台湾民進党
である。
その他の国や報道機関などは、公然とは非難して
いない。






したがって、日本国民のほとんどの内層心理は、
中共=ナチ、という心理状態にある。





多分、上記に記した6国・報道機関と、その他の
国・機関のとらえかたは根本的に違っていて、
いわば、「世界観が違う」状態になっている。





次に、中国側から言えば、日本が過去の戦争を
謝罪せず、GDP世界第2位を中国に奪われた
腹いせで、右翼や反中勢力が「反中」を煽って、政府と
国民が一体になって軍国主義化に邁進していると、
思っている。それが、中国側の「世界観」である。
しかも、「棚上げ状態」にあった、釣魚島の
国有化を行い、領土問題に火をつけた。歴史的に
見て、ここは中国領である、我々は「核心利益」
を断固死守する・・・・・・
そして、感情的に、「南京大虐殺」へとつながる、
恒例のパターンになる。






どちらが良い悪いは別にして、日中双方とも「感情論
の袋小路」に陥っていると言える。





現状認識は上記の様だが、短期的に見て、日本が
すべきことは、「尖閣諸島が国際的に係争状態に
ある」ことを認めることだ。国際的に、と書いたのは、
中共ばかりでなく、台湾も、その領有権を主張
しているからだ。どのような交渉を、どの国・
機関とするか後述する。少なくとも「係争状態にある」
ことは認めるべきだろう。自分は、これを「棚上げしろ」
とは言ってない。
同時に、日米の軍事合同作戦のプロトコルをもっと、
確立させる。軍事力での同盟関係をさらに増強する。






「係争状態を認めた」上で、3ヶ国(日中台)協議
に向けた下地を作る。この時点で、日本は、
中共との「日中平和友好条約の破棄」を通告すべき
だろう。日本は、台湾を独立国と認めることになる。
つまり、3ヶ国協議の前提条件=尖閣諸島の領有問題
=台湾の独立主権、という図式だ。いまの段階で、
中共は「台湾も核心利益」だ、と言ってる以上、
この協議開催の確率は0%だ。しかし、未来永劫、
国際関係で状況が変化することはないと、誰が言える
のだろう。台湾が、
中華民国になる可能性が1%もない、と言い切るの
も問題だし、中共が台湾の独立を認めざるを得ない
状況になることも、あり得ると思う。「台湾」を
諦めて、尖閣諸島の取引に応じる可能性は1%
は、ある。






軍事的には、当面、米軍のバックアップを得ながら、
政治的には、台湾をはさんで、尖閣諸島や太平洋の
緊張緩和を目指す。そして、数十年かけて、
スイスの様な国を作っていく。







こういう「青写真」が、今の日本には一番フィット
している。自分は、軍備を捨てて平和を取れとは、
言ってない。高山に咲く「アザミ」の様に、
孤立していようと、毟り取りにきたら、刺で
刺し返す軍事力を蓄え、どこの超大国にも強気で
いれる。そんな国を作れ、と言ってるのだ。
スイスの外交は「瀬戸際政策」ではない。
ナチス・ドイツ時代のスイス外交を手本にして、
「新しい富国強兵」の日本を作るべきだろう。






「核保有」が中共への牽制力や抑止力なる、
という専門家が多いが、自分は日本の核保有には
反対だ。唯一の被爆国という、感情的な面もある
が、核兵器は絶対使用してはならない 不問律が
あるからだ。日本に核兵器を使用しない、という
誓いができるか?甚だ疑問だ。
昨日も書いたが、核兵器を使用された・した段階で
人類の繁栄は終わる。それだけである。