今朝、オフィスに行くと転職してきたJ子さんが、マイコプラズマ検出
キットの翻訳を、隣の机で格闘していた。聞くと、弁理士との仕事で、
なにやら医療器械についたバクテリアみたいなものを、輸入時、水際で
検出しなきゃならない、らしい。何やらよくわからない・・・・・。


マイコプラズマは、いまでこそ、一般に広くしれわたるようになり
ました。僕が勉強してた時は、学術名:Mycobacteria Pneumoniae
(スペルは定かでない)、細胞寄生性の(赤血球の中に入ってくる
タイプで、マラリア的)細菌で、ペニシリン系の薬剤には、確か?
耐性で、マクロライド系の、強い抗生物質に感受性で、培地(細菌を
繁殖させる寒天をシャーレに平板にかためたもの)には名前は忘れた
が、特別の培地を用い、細菌が育つと、卵焼き状(目玉)のような
集落ができる、と教えられた記憶がある。



最近では、カミサンや子供が軽いマイコプラズマ肺炎に罹ったので、
「何だ。マイコプラズマって結構メジャーかよ」と認識しました。
薬は、ファイザーのやつ、うう、
名前がでてこない・・・・・。ファイザーにはお世話になりました。


因みに、バクテリアとウイルスは違います。バクテリアは顕微鏡で
補足できる大きさで、昔のパスツールや、北里博士らが扱ったもの
で、ウイルスは、培地では確認できないので、免疫学的検査等を
用いていたはずです。昔の昔は、この培地を、検査技師が観察して
細菌を同定(確定)したり、釣菌して(菌を培地から取って)、色
色な試薬につけて、その菌の同定をしてました。これもやはり、
近年、機械化されてきて、10〜15年前くらいから、大病院では
アメリカの自動培地判定機械(培地をみせただけで細菌を同定する)
を導入しておりました。有名なのは、アメリカのVITEKという
会社の機械で、バイテックは最近、フランスのビオメリューという
会社に買収されました。ビオメリューはEU市場には上場してる様
ですが、アメリカのADRには、まだ登録されてなかったと思います。


病院の検査技師も機械や外注(会社で検査を仕事とする)に職を
奪われつつあります。しかし、人間の目に頼らなければいけない
検査には、まだまだ、検査技師は必要です。特に必要な分野は、
     ①生理検査(心臓等のエコーや心電図)
     ②病理検査(解剖後の組織切片を顕微鏡で見る)
     ③細胞診検査(生体の一部組織を取って来てリアル
            タイムで見る)
     ④形態の検査(尿ちんさ、血液像などの形態で
            病名を判定する)
⑤輸血検査(交差適合検査といって、小さい試験管で
           凝血の形態を見る)
です。これらの分野は、機械化しても、工程が複雑で、ロボット化
できない難点があります。人間の判断基準がかなり必要とされる
分野です。


検査技師はいい職業です。ちょっとやめる方がすくないので、
職が若い人に回ってこないのが残念ですねぇ。まじめな話でした。