失われた10年は、間違い?!

今のヨーロッパの経済混迷、リーマンショック後の回復しない米経済を見ると、バブル崩壊後も2〜3%成長した日本の90年代を「失われた10年」と言った経済学者が、それは間違いだった、日本に謝罪したいと言ってるらしい。地価や株価が半値以下になっても、なお成長率を維持できたのは奇跡に近い。その「失われた10年」の日本の経済政策を我々米欧は学ぶべきだ、とも言ってるらしい。
日本政府がとった政策は古典的なもので、不良債権処理も含めて、国家財政を目一杯使い切ることで、不況の克服を第一義とした。その結果、財政赤字は数10%から200%以上に膨らんだ。
今のアメリカ、ヨーロッパの経済混迷は国家対個人、国家対ファンド、など、アイデンティティーのない投資家相手の恐怖で、90年代に日本に起こった状況とはかなり異なる。日本の当時の企業が存続のために、いきなり、外資や外国に頼ってたわけではない。銀行が国(日本政府)に頼るモラルハザードが、とやかく言われる時代だった。今よりずっと、ゆっくりと経済を建て直すことができた。自由化される前で、個人マネー(ファンド)が、さ迷う時代ではなかった。
今は、ギリシャなどが抱える本当の問題より、ギリシャ国外の個人や国家が、ギリシャの実体以上に恐怖を募っているように思う。
ギリシャがどんなに借金しようが、ギリシャが返せない金などないと、自分は思う。問題なのは、どんな金を誰から借りたか?だ。ギリシャを投機に使おうとする個人や国家から借りたのか?そうだとしても、世界経済から見ればギリシャの借金など、とるに足りないと思う。
問題なのは、どうやってギリシャの借金をチャラにしてやるか?これが決まらない事にある。
第一次大戦後のドイツじゃあるまいし、あんまり取り立てに厳しいと、隣国に戦争でも仕掛けるよ。あるいは、2004年のギリシャオリンピックのメダルを回収するとか(笑)はたまた、ギリシャのバルテノン神殿の見物料金を今の100倍にするとか(笑)


世界経済から見ればギリシャ経済など、とるに足りない。だからこそ、世界が助けてやるべきなのだ。