クリミア半島の住民の60%はロシア系住民
だという。ウクライナの西部はウクライナ語、
東部はロシア語が公用語だという。もともと、
ウクライナ国内に分裂の要素があったのかも
しれない。クリミア半島は、英国領ジブラルタル
などと同じで、交通の要衝だ。ロシアにとっては、
黒海から地中海に至るルートでは、クリミア半島
黒海沿岸諸国を威圧できる有利な地形にあり、
譲れないだろう。




今後の展開は読めないが、米国主導の経済制裁
で、ロシアが軍を撤退させるとは思えない。
また、中国は、独自にロシアと経済と軍事の
協力を進めている。対日圧力でロシアを利用
しているのだが。また、日本も対中圧力で、
ロシアを利用しようとしており、にわかに露の
存在感が増している。米英他、EU諸国と日本だけ
の経済・文化面の制裁だけでは、露に対しては
それほど有効な圧力にはならないだろう。日本も
今後の露との交渉を考えると、制裁への本気度が
違ってくる。




中国は、米やEUとは同調しないはずで、国連の
議場でも米の想定通りにはいかない。
オバマさんも、シリア攻撃や防空識別圏で、
日和見主義を露呈して、露中になめられて
しまったようだ。




言葉ではなく、軍や、ほかの実効力のあるアク
ションを米国がとらない限り、露中に今後も
ひっかき回されるはずだ。米国が大切にしている
西欧諸国(また、その近隣諸国)の安全保障ですら、
今のオバマ政権に守れるのか?かなり疑問である。



100の言葉より実効力のあるアクションが必要
だ。




第2次大戦中、日本が米国に参戦し、ドイツはやむ
なく米国に宣戦布告、ドイツがソ連に参戦したが、
日本はドイツのソ連参戦要請を聞きいれなかった。
日本にはソ連が部外者で、ドイツにとっては、米国が
部外者だった。今の日本を取り巻く情勢で、対中国
への牽制で露を使い、米への圧力でも露を使おうと
しているが、これはやはり本末転倒だ。
やりたいのであれば、中国との戦略対話を始めるしか
今の局面の打開はない。特に、中国に対しては、
尖閣諸島の問題が解決に向かえば、他は芋づる式に
好転する。ドアをオープンにするだけでなく、
まず領土問題に切り込むべきだ。歴史認識等の
諸問題は、まず尖閣諸島問題の何がしかの合意後に
始めればよい。




歴史から学ぶべきは、問題を複雑化させないこと。





重要な問題から解決する努力をすることだ。第2次
世界大戦も、日本は中国問題→アメリカとのこじれ
→朝鮮台湾植民地問題という順に解決すべきだった。
目をそらさず、まず、中国との関係を第1に考え、
好ましい方向に持っていくのが、今の日本の国益
かなうはずだ。





中国は今回のウクライナ危機で、欧米、とりわけ
オバマさんの決意を見ている。今回もオバマ日和見
主義が露呈すれば、尖閣諸島南シナ海中印国境
での攻勢をさらに強めてくるだろう。
中国は、
話し合いが通じる相手ではないが、危機回避のための
交渉窓口を作っておくのは、日本には必須になる。




オバマさん、どうも、露中への警戒感危機感が不足
していたようだ。