韓国の旅客船沈没の悲劇の最中にも、学生らは
スマホで家族に、自分たちの最後の瞬間を
送り続けていたという。その文面を見て
涙を流す人達も多いという。



今の学生は、日本でもそうだが、ほとんど
スマホ世代に属している。特に韓国の様な
ITが発達した国では、多分、小学生から
スマホを親から与えられて育っているはずだ。
これに関しては、日本も大差はない。
約50%の中学生、約80%の高校生は
スマホを持っているという記事が、東京新聞
に載っていた。日本の場合は、ツイッター
もあるが、学生の使用目的は、韓国発の
LINEが目当てになる。




自分の子供もそうだが、いまの子供たちは、
20代や30代のネット世代とも違っている。
大人になる前、いきなり、ネット、メール、
SNSなど全てのネット環境を与えられている
からだ。ネットはいわゆる非現実の世界で
あり、そんなことは我々大人は十分に心得て
いるが、いまの10代はそうとも言えない。
人間関係の辛酸をなめる前に、人間関係の
イロハを習う前に、いきなり「バーチャル
な世界」だからである。東京新聞によると、
恋人や友達に自分の写真(場合によっては
裸の写真)を送って、別れてから、ネットに
アップされる(リベンジポルノ)で、悩む
女子高生のほとんどは10代だそうだ。




こうしたら、こうなる、という人間の心理
を学ぶ前に、10代の子供はいきなりスマホ
親から買い与えられる。私の様なおじさんから
見れば、20過ぎてから貰っても全然遅くは
ないのがスマホなんだが・・・・我々など、
wwwのウェブが始まったのも30代、携帯
電話で、どこからでもかけられると驚いていた
世代。電話は公衆電話・赤電話と決まっていた
世代の人間だからね(笑)。人生ってのは
そんなに生き急がなくてもいいのにって、
アドバイスしたくなっちゃうね。



韓国の高校生も多分、スマホ世代の学生たち
だろう。本当に悲劇的な事件だったが、自分の
最後を親にアップするくらいなら、彼らの親に
してみれば、自分の頭で、生き残れる術を、
最後の瞬間に考えて行動して貰いたかった、
はずだろう。船長や船会社の過失は明白で、
ほぼ100%の責任が彼らにあるんだが、親に
してみれば、どんなことをしても生き残るのが
希望だ。あの局面で、自分の子供から、「おやじ、
船が沈みそうだ、どうしたらいい?」ってスマホ
で聞いてきたら、「船長の話はどうでもいいから、
救命胴衣を着て看板に上れ。救命ボートが見つから
なければ、沈没する前に、最悪でも海に飛び込め」
と、自分はスマホで答えられただろうか?



甚だ、疑問である。


彼らの対応を云々する前に、自分なら出来たか
どうか?自省してみることは必要だ。



何でも、スマホと関連付けるのも無理があるが、
我々もデジタルやマニュアルをもう一度疑って
みるという教訓を与えている気もする。
マニュアル通りに実行しないのは論外だが、
日本人の特性で、マニュアルを100%信じ込
むのも、大きな問題を孕んでいるかもしれない
のだ。



亡くなられた方々のご冥福をお祈り致します。