英国の教育調査機関が発表したアジアの
大学のランキングによると、4年連続首位を
保っていた東京大学が、2016年は7位に
落ちたという。東大が、このありさまで他の
旧帝大のランクがいいわけない。ほそぼそと、
北大や九大など3大学が、昨年より順位が上がった
らしい。



こういった順位も大切だがそれより、日本の
国公立の授業料・教材・施設費等の教育コスト
の上昇は、目を覆うばかりだ。私大に至っては、
親からみれば、「どんだけ掛かるんだよ」って
いう表現しかない。



1980年当時、アメリカの南カルフォルニア
とかスタンフォード大とか、かなり授業料がかかる
大学でも、普通のサラリーマン(といってもかなり
裕福な世帯だが)で、なんとか子供を学部留学させ
られただろう。
僕も、1980年当時覚えているが、1単位にかかる
費用(米国では1単位取得にかかるお金で教育費
を換算する)が、たしか79ドル。クォーター制
(3学期+夏講習)の大学なら、4年間の取得単位
合計は180〜200単位。ということは、ざっくり
計算して、比較的授業料が高い有名私大でも、
16000ドル。アメリカ人の家庭の感覚では、
4年間で授業料だけで160万円。子供がバイトや
奨学金をもらえば、なんとかなる授業料だった。
州立大学なら、セメスター制で、120〜140単位
が必須単位。1単位当たり私大の半額以下だから、
ざっくり計算して、4年間で5000ドルくらい。
50万円が4年間の授業料という感覚だ。




ただし、僕がアメリカに行った時代は「プラザ合意
前の時代で、1ドル300円の時代。1986年は
結構円高の恩恵を受けたが、それ以前は、アメリ
の大学のカフェテリアでバイトして、時給7ドルで、
日本円で2000円以上。お金の苦しい日本からの
留学生はほぼ全員バイトの様相だった。それぐらい
日本の賃金が低く、円が安いので、アメリカで働く、
あるいは起業するのが魅力的な時代だった。
こんな時代だから、日本国内の雰囲気は、外国旅行
の憧れに満ちており、今の、中国大陸の人々の感覚
だった。



話がずれたが、

とにかく、今の米国大学の授業料は高い。
自分の卒業した大学の授業料を見ると、唖然として
口があんぐりという状態だ。
1単位79ドルだった1980年に比べて、
いまは1単位500ドル。1年で2万5千ドル。
一般アメリカ家庭の感覚では、年間250万円。
一般日本家庭の感覚でも、円高を考慮して、
年間250万(日本の私大と同じくらい)。
アメリカの一般中流家庭の感覚では、大学1年から
アイビーリーグスタンフォード、デューク、
カルフォルニア大などの有名私立大には絶対
行かせられないはずだ。



州立大も軒並み授業料が高いので、ごくごく
普通のアメリ中流家庭は、短期大学に進学
させて、3年時に私大または州立大に転校する
パターンが多いようだ。それでも、大学を卒業
しても学生ローンを、返済できずに自己破産。
連帯保証人の親も自己破産、というパターンが
多いと聞く。



それでは米国の大学の資金が枯渇するのか、というと
そうでもない。お金持ちの留学生、中国人、
アラブ人、インド人(カーストのてっぺんの人)
が、アメリカの大学を資金面で支えているので、
何とか教育の質を保っているようだ。




日本の大学の未来は明るくない。
国公立大学の授業料は、もっと下げないといけない。
下げて、教育の質を上げるには、国公立大学
予算をぶち込むべきだろう。



いらない政治家を国会で雇うより、
大学教育に税金を使うべきだろう。



東大がアジアで7位になった。政府が
軍拡ばかりやってれば、もっともっと
順位は落ちるはずだ。


学費の高騰ばかり、アメリカの大学の真似を
して、情けない話である。